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第2章 ページ19

「きいちゃん、なんか怪我増えてない?」
部活後、皆で校門に向かう途中桃井が心配そうに声をかけた。

あのラーメン事件の後の数日間
何かと黄瀬と一緒に行動していた
レギュラーメンバーは黄瀬の不運を目の当たりにしてきた。

「ここ最近、黄瀬は不運すぎるのだよ。ラッキーアイテムをもっていてもこの有様」

そう、緑間は密かに黄瀬のラッキーアイテムを持って来ていたのだ。
「緑間っち‥もしかして持ってきてくれたんスか?」
「緑間君て、なんだがんだで優しいですよね」
「きーちゃんの為に持ってくるなんて、本当にみどりんはツンデレだね」
「う、うるさいのだよ!」

しかし、現状は厳しいままだ。

「だが、不運としか言いようがなくどうすることもできないな。」
「黄瀬ぇ、呪われたんじゃねーか?」
「怖いこと言わないで欲しいっス!ていうか、青峰っちだってそういうの苦手なくせに!」

呪い、という青峰の言葉に 一瞬ピクリと反応したのは緑間だった。
まさかな‥ そう思い目を伏せる。


prrrrrrrrrrrr ピッ

「あ、もしもしお姉ちゃん?元気?」

背後から緑間にとっては聞いたことのある声が聞こえた。
「緑間?」
バッと、振り返った緑間に隣にいた赤司は声をかける。
神憑は電話しながらスタスタと歩き
見向きもしないで バスケ部メンバーの横を通っていった。


「今のって神憑さんっスよね」
黄瀬の言葉に緑間は反応する

「知っているのか⁉ な、何かアイツに言われたりしたか⁉」

普段の緑間とはかけ離れた余裕がなくなった様子で黄瀬に詰め寄り、6人は驚きを隠せない。

「い、いや話したことはないっスよ。ただ、桃っちが前 言ってて」

「そ、そうだよ、みどりん!落ち着いて。
授業以外に会えたらラッキーで有名なんだよ」

そこで、緑間は自分が柄にもなく詰め寄っていたことに気付いた
「わ、悪かったのだよ」

「みどちん、その子知ってるの?」

後ろにいた紫原が尋ねる。

「そ、そんな感じなのだよ」
赤司は先程の取り乱した様子から
もしや‥と、思ったが緑間の表情を見て
その考えをやめた。
そんな甘い事情ではないのは明らかだった。
緑間の無断欠勤、その件はまだ赤司も腑に落ちないままである。

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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2019年3月14日 11時

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