080・ 1月28日 ページ32
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9時…
本日神谷の37歳の誕生日。朝起きた櫻井は身体のだるさを感じていた。
「ん……」
今日はAとトリコのアフレコがあるので一緒だ。AはドラマCDの収録が終わったあとトリコである。
「なんだろう…すげーだるい……喉のとこモヤモヤする」
声は普通に出るので問題ないと思い、ご飯を軽く済ませて彼は仕事に出かけた。
***
Cスタジオ 11時…
「皆さんおはようございます」
置「おはようAちゃん」
水「おはよー!」
朴「おはようA!」
「あら?孝宏はまだ来てないみたいですね」
置「ん?Aちゃん櫻井君と一緒じゃないんだ」
「はい、私今日朝からドラマCDの収録だったのでそのままこっちに来たんです」
水「いつも1人で来るときは私より早いのにね」
「うん…ちょっと電話してみるわ」
もうほとんどのキャストたちが集まっている。それなのに櫻井はまだ来てなかった。
Aは携帯を取り出し、彼に電話をかけた。
5回目のコールで出た。
『もしもし…』
「孝宏?私、Aだけど」
『A…』
「どうしたの?声が…」
声が枯れ気味であり、弱っている。
『ヤバイんだ…身体がすごく怠くて、頭もグラグラする…』
「え!?」
『喉もモヤモヤした感じがして気分悪くて…今からマネージャーに…そっちに電話して…もらうように…頼んでる……』
「大丈夫!?昨日は全くそんな感じじゃなかったじゃない…」
『うん…今日起きたら…き、急に…』
「病院行くの?」
『ああ…マネージャーに連れてってもらう……ごめん』
「…そっか、わかった私からも言っておくから、ゆっくり休んで」
『ありがとう…じゃあ…』
電話を切り、監督とプロデューサーにもこの事を伝えた。その日の収録は櫻井のココ役の代役はガヤ撮りに来ていた無名の声優にしてもらった。
***
なんとか終わったトリコのアフレコ。
Aはすぐ彼に電話をかけた。
櫻『もしもし…』
「孝宏!体調大丈夫!?」
櫻『…風邪だった』
「え、風邪?」
水「…!」
隣で奈々が聞いていた。櫻井は風邪を引いてしまったという。
櫻『けど…声を出すのが…辛い』
「ごめんなさい…気になって」
櫻『いや…いいよ。でも…びっくりした…ここ十何年引いてなかったのに…どこでもらったんだか…』
「熱は?」
櫻『38.5ある……ごめん…今日神谷の誕生日なのにな…』
「孝宏…心配だよ…私…っ」
櫻『会いたいけど…風邪伝染したくねえから…お前は神谷のとこ行って…』
そう言われたがAは神谷の誕生日会をキャンセルすることにした。
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作者名:touko. | 作成日時:2020年12月27日 16時