【そらる】この秘密は私しか知らない (ページ7)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:5,902 hit

story 6 ページ7

story 6

｢そうだ！血は！？

人間の血なんて、毎日飲める訳じゃないんじゃ………｣

さすがに、毎日人を襲ってたらこんな生活出来ないはずだし………

『人間の血はほとんど飲んだことないなぁ。

いつも、冷蔵庫に保管してる輸血パック飲んでるから。』

え、でも輸血パックって………

『輸血パックって、言葉ではそう言ってるけど、人間の血に成分を近づけているだけでただの液体だよ。

人間の血の代用には使えない。』

そんなものがあるんだ。

『吸血鬼も昔と違って、生きやすいように進化を重ねてるんだよ。』

それもそうか。

でもそれって………

｢私の血がほとんど初めてってことですか？｣

だから、加減もわからず飲んでしまったのかな？

『そうなるかな。

あ、でも、いつも飲んでる輸血パックとは比にならないくらい、美味しかったなぁ♪』

彼はそう言って、味を思い出すように口周りを舌で舐める。

｢命の危険を感じる………｣

私はついつい心の声を漏らしてしまう。

『大丈夫。

そんな襲ったりなんかもうしないよ。』

優しい笑みの奥に、ヒヤリとするものを感じたような………

『でも、たまに欲しいな♡』

そう言って、彼は私の首筋を舐める。

＿