《続》一ヶ月間だけの隊務 (ページ2)

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十八日目ページ2

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「寛ちゃん今日は子供達のところ？」
『うん。最近遊んでやれなかったから、貢ぎ物付き』

そう言い、沢山の駄菓子が入った袋を揺らす。
それを見て、顔が緩む。

この笑みが消えるなんて自分でも思ってもみなかったのだけれど。

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藁をかけられ、横たわる子供の遺体が四つ。それを見つけたのは朝方巡察に出掛けた
三番組だった。

「コリャ酷えな。誰がやったんだ」
「分かりません。ですが斬られたのは夜更けと見て間違いないでしょう」
「夜更けに何しようとしてたんだ、こいつら」
「さあ…？」

ドサ！と、音がして、振り返ると子母澤がいた。地面には紙袋に詰まっていたであろう、沢山の駄菓子が溢れている。

「どうした子母澤、紙袋が落ちてるぞ」

だが子母澤は聞く耳を持たず、遺体へ一直線に向かう。そして四つのうちの一つをゆっくりとめくってこう呟く。

『！…かんた……』
「「‼?」」

また一つ。
『……ゆい………』

また一つ。
『……りょうた……』

また一つ。
『……たけし……』

子母澤は一人ひとりの名前を呼んでいるようだった。でも問題はそこじゃない。
何故こいつが子供の名前を知っているかだ。

「オイ、子母澤、何故お前がそいつらの名前を知っている⁉さてはお前がやったんじゃねえだろうな⁉」

だが返答はない。
代わりにたけしと呼ばれた子供の藁を戻し、立ち上がった。

子母澤は、泣いているのかもしれない。キツくにぎられた拳からは血が滲んでいた。

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