秘密の恋*9* ページ10
息を切らして、美術室に入ると
早乙女君は、黙々と何やら絵を描いていた。
扉の開く音でこちらに気付き
早乙女「やぁ...遅かったね」
そして、隣の席の椅子を引いてくれる。
A「ごめん...ちょっと色々あって...。
何の絵描いてるの?」
隣のその椅子に座って絵を覗き込めば
・
A「...?」
形は特に無く、色んな色が自由に塗られたような...そんな絵。
比較的、黒や茶色などの暗い色が多いだろうか...。
早乙女「...特にテーマはない。
何も考えず色を塗ってる時間が、俺の心の安らぎなんだ」
A「へ、へぇ...」
隣で買ってきたパンを開封し、口に頬張ると
早乙女「フフ...良い食べっぷりだね」
口を抑えて笑うものだから
A「うっ...ごめん、下品だったかな...」
恥ずかしくなって早乙女君に背中を向ける。
・
早乙女「いいや...俺は好きだよ」
だからこっち向いて、と言われ...ゆっくりと向き直れば
・
A「んっ...!?」
唇に生暖かい感触がする。
...後頭部に手を回され、逃げられない。
A「んんっ...!!」
両手で思いきり突き飛ばし、離れれば乱れる息を整えて、立ち上がる。
・
A「こ、こんないきなりっ...」
早乙女「いきなり...?俺、ずっと待ってたよ。
君が、なかなか付き合うって言ってくれないから...もう痺れ切らしちゃった」
早乙女君はふらりと立ち上がり...無表情で迫ってきた。
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らんなあ - 面白かったー。良かったらもっと作成してほしいです。 (2020年4月20日 17時) (レス) id: aab03e3535 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:†ハヅキ† | 作成日時:2019年4月16日 20時