秘密の恋*23* ページ24
長太郎「A、そろそろイルカショーあるみたいだけど、行く?」
2人の様子に気付きつつも、変わらぬ様子で提案してくるちょた。
だが、私の不安はピークを迎え
A「...もう帰る」
真っ直ぐに出口へと向かった。
長太郎「!A!?」
目を丸くして、後を追ってくるも
ちょたは、1歩後ろまで来れば黙って私の後を歩くだけ。
...昔からそう。
何か言うわけでもなく、ただ横にいる。
時にはそれにもイラッとしてキツく当たった事あるのに、変わらないのだ。
・
A「...何でいつも何も言わないの?」
スタスタ歩きながら、少し刺のある言い方になってしまうが、謝る気にはなれない。
長太郎「...分からない」
A「は?」
長太郎「A何も言わないんだもん。何て言って良いか分からないよ」
A「横に来てどうしたのって聞けばいいんじゃないの?」
長太郎「それですんなり話してくれた事、1度も無いよ」
A「うっ...」
何も言い返せない。
・
長太郎「...さっきの芥川さんと宍戸さんの事?」
私が黙り込むのを見て、ちょたは
長太郎「...場所変えようか」
リーチの長い彼は、早歩きする私を軽々と追い抜いて前を歩く。
長太郎「帰る前に、話をしよ」
その行動により、手を掴まれてるわけでもないのに...逃げても無駄なのだと思わされて
私はちょたの後を黙ってついて行った。
・
・
その後私達がやって来たのは、とあるカラオケボックス。
部屋に入っても、曲を入れる事もなく画面の映像の音が響き渡る。
私の真横にやって来たちょたは
その右手を私の左手にそっと重ねた。
長太郎「さっきは...驚いた、ね...」
苦笑いを浮かべ、気まずそうに話し始める。
長太郎「こんな所で知り合いに会うなんて思わなかったから...俺も正直、ヒヤッとした」
じゃあ、とちょたは続け
長太郎「今度は、もっと遠出しようか。知り合いに会わないように」
更なる思い出を、提案してきた。
・
A「...もう、いいよ...」
私は、疲れてしまった。
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らんなあ - 面白かったー。良かったらもっと作成してほしいです。 (2020年4月20日 17時) (レス) id: aab03e3535 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:†ハヅキ† | 作成日時:2019年4月16日 20時