30・ ページ33
・
タルタリヤは言う。
”天使がいる”と。
新しい布に身を包んだAは目の前で手を合わせ膝を着いて拝んでくるタルタリヤに恥ずかしがる。その恥ずかしさは照れているのではなくタルタリヤの奇行が周りに変な目で見られているからの恥ずかしさだ。
「なにしてるの！変なことしないで！」
白がメインの細かな刺繍が入ったワンピースを着たAはタルタリヤにとって背中に羽が生えてきそうに見えている。
一つ一つが高そうだが惜しむこと無く生着中のソレともう数着を購入したタルタリヤはまさに女性が夢見る彼氏像。購入した服も彼が持ち、金も彼が出してAの歩幅に合わせて歩いてくれる、顔も良くて身長もあるのにどうしてこうも変な行動を取るのか…
「ほら立ってよ！」
タルタリヤの拝む手を掴み立たせようとすればスルりと恋人繋ぎにされ何事もなかったかのように立って王子様かのようにエスコートをする。
だが内心は”Aが自分から俺に触れた”という事実で盛り上がり若干興奮しているようだ。
「次はどこに行こうか、モンドと言えばあの大きな大聖堂？鹿狩り？それとも飲むには早いけれどもキャッツテール？エンジェルズシェア？そのまま2人の愛の巣、ラブホテルで一日中俺と遊ばない？」
”ねぇ、いいでしょ？”
耳元で熱を含んだ声が囁き”ふぅ”と息を吹きかける。
耳が妊娠してしまう、とはこの事か、
「ばかじゃ、ないの！」
これには数々の事をされてきたAも耐えられず顔を赤くしてしまう。
「Aは耳が弱いのかな？
ほら、行こう？」
急展開すぎることに頭が追いつかずアワアワしているAをからかいながらも本気なタルタリヤは彼女の手を引っ張り謎に事前に調べておいたラブホテルまで導こうとするがAがその場で突っ立っていたままだったので足を止めた。
”まだっ……だめ…”
微かに聞こえたその言葉にタルタリヤは聞き逃さなかった。
まだ、だめ？まだ？？まだって、まだ？まだって、まだってあれだよね、まだって、、え？
「まだ？」
確実に聞こえているはずなのに俯く彼女の耳は真っ赤だった。
まだって、、、いつかはイイってこと…？
今は断られたがいつかは愛し合える。
俺は間違っていなかった、目の前にいるAは天使だと。
タルタリヤは再び地面に足付き拝んだ。
あぁ、尊い。可愛い。
「やっぱ馬鹿でしょ…」
また残念な事をしているタルタリヤを見たAは冷静になり彼を置いて歩いていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 609人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原神」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
72(プロフ) - りさん» えー！！ありがとうございます！この作品コメント打ってくれる人少なくてコメント書いてくださるだけとても嬉しいです！ (2022年11月17日 23時) (
レス) id: 5ab6d0e829 (このIDを非表示/違反報告)
り - 一気見しました！好きです() (2022年11月16日 8時) (レス) @page35 id: 1c00c5b49c (このIDを非表示/違反報告)
すみか(プロフ) - はいさーせん。 (2022年10月24日 18時) (レス) id: c882518901 (このIDを非表示/違反報告)
72(プロフ) - すみかさん» はやく原神手伝え (2022年10月24日 18時) (レス) @page29 id: 5ab6d0e829 (このIDを非表示/違反報告)
すみか(プロフ) - いつでも書いていいぞ。 (2022年10月24日 17時) (レス) @page29 id: c882518901 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：72 | 作成日時：2022年8月11日 22時
