11・夢 ページ14
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小さい頃の将来の夢は冒険者だった。
それは今も尚変わってはいない。
稲妻もまだ鎖国していないその頃、私はよく両親と世界各国を旅して回っていた。異邦人だからと悪態をとるやからも居たが良い人も大勢いた。友達は出来たが直ぐに旅に出るのでもうその友達の顔も名前も覚えていない。
「█████、見てこのお花。
こんなに雪が積もっているのに立派にさいてる!」
「ん?その花はアジュガって言うんだよ」
いつだっただろう。
それは雪国へ行った時のことだった。
1人の、Aよりも4、5歳ほど年上の少年と出会った。彼は元からこの国で住んでいて人より色々な事をしっている。なぜなら彼自身も冒険者になりたかったからだ。
冒険者になりたい同士、遊ぶ約束をしては冒険者の真似事みたいによく森の中へ野うさぎやら狐を狩りに出かけていた。
「█████、今日は何しに森へ行くの?」
「今日はなんと!父さんが言ってた物語の場所へ探検しに行くよ!凄く似てる場所を昨日見つけたんだ!」
「どんな物語なの?」
「女の子が雪狐と出会って悪い悪魔を倒す話だよ!Aちゃんも知ってるでしょ?」
「うん!元々人間だった狐さんが好きな女の子のために頑張るお話だよね!私あれ好き!カッコイイよね狐さん!」
「その物語の2人が出会った場所!
早く行こう!」
「待ってよ█████!」
真っ白い粉雪が降る中、2人は森の中へ走って行く。
凍てつく空気が肺に入り体全体が冷えるが2人の子供達はその物語に夢中で己の事、周りの事など眼中に無い。
早く物語の場所へ、未知の場所へ辿り着きたい。そして色々なことを体験したい。
好奇心旺盛でヤンチャな2人は長靴の跡を白い雪の上へ残して行く。
「速いよ〜!」
この国に来て浅いAは雪で足が竦んで前に出ない。Aよりも4、5歳年上の男の子はその事に気づけずに普段己が走るスピードで行ってしまった為Aとはぐれてしまった。
普段ならこの時間はまだ明るいが森の中は木々で覆われ更に今日は雪の日という事で辺りは既に暗い闇に飲まれている。
「█████〜!どこっ!?
█████!」
月の明かりを頼りにその足跡を追って彼を探すがまだ6歳のAは我慢していた目からとうとう涙をこぼして前がよく見えない。
足取りも徐々にゆっくりになっていく。
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72(プロフ) - りさん» えー!!ありがとうございます!この作品コメント打ってくれる人少なくてコメント書いてくださるだけとても嬉しいです! (2022年11月17日 23時) (レス) id: 5ab6d0e829 (このIDを非表示/違反報告)
り - 一気見しました!好きです() (2022年11月16日 8時) (レス) @page35 id: 1c00c5b49c (このIDを非表示/違反報告)
すみか(プロフ) - はいさーせん。 (2022年10月24日 18時) (レス) id: c882518901 (このIDを非表示/違反報告)
72(プロフ) - すみかさん» はやく原神手伝え (2022年10月24日 18時) (レス) @page29 id: 5ab6d0e829 (このIDを非表示/違反報告)
すみか(プロフ) - いつでも書いていいぞ。 (2022年10月24日 17時) (レス) @page29 id: c882518901 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:72 | 作成日時:2022年8月11日 22時