君が男でも女でも愛してる【ブラコン】

第16話　もう、隠していても・・・ ページ22

風「おまたせ」



貴「・・・何も話すことなんてないだろ」



風「訊きたい事がいっぱいあるんだよ」



貴「なんなんだ」



風「なんで、あんたがここに居るかってこと」



貴「兄弟になったからだろ・・・」



風「そういうことじゃなくて、あんたの親と僕の親との関係」



貴「・・・・・・・・・」



貴「俺に親はいない。」



風「じゃあなんで？」



貴「それは、まだ話せない」



貴「ひとつだけ教えてやる」



貴「俺はお前たちと一緒に暮らして良いような人間じゃない・・」



風「そんな事は僕たちが決めることだろ」



貴「・・そうか」



風「・・・もう一つだけ訊いても良い？」



貴「答えられる事ならな」



風「なんで男装してんの」



貴「俺が女だったせいで大切な人を守れなかった」



貴「女は弱い・・・」



風「・・・(過去にいったい何があったんだろう)」



貴「・・・・・・・・・」



貴「もう、帰ってもいいか？」



風「良いよ。」



貴「おやすみ・・・」



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パタパタ


貴「・・・部屋の前に誰かいる」



右「すみません。こんな時間に」



貴「ああ。俺も風斗のとこに行ってたから大丈夫だ」



貴「それで？」



右「あなたに聞きたいことがあって」



貴「中ででも良いか？」



右「!! はい。」



−−−−−−−−−−−



貴「何でも聞いてくれ」



貴「答えられる事なら答えるよ」



右「風斗が言ったんです。隠していることがあると」



右「風斗と話していたのは何だったんでしょうか？」



貴「・・・風斗は口がかるいな」



貴「もう、隠してる意味ないのかもな」



右「？」



貴「京兄は、俺がもし男じゃなかったらどうする？」



右「それは、女性だったらと言うことですか？」



貴「ああ。」



右「嬉しい反面、少し戸惑います」



貴「・・・俺は、ここに居てもいいんだろうか」



右「それは、私にはわかりません。
　 でも、私たちが兄弟ということには変わりはないですよ」



貴「そうか」



貴「・・・京兄、ありがと」



右「どういたしまして。」


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貴「この事、皆にも話さなきゃな」



右「貴方のタイミングで大丈夫ですよ」



貴「・・・そうだな。いつか俺の過去も話せる時が来ると良いな」


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