コーヒー時々オムライス

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立ち上がった部長が
私を見ずに、デスクの方に歩くのがわかる


ガチャ

バタン

そこを見たわけではないけれど
今、部長は冷蔵庫を開けて占めたのはわかる

きっと私のこと呆れてるんだろう

部長からみたら、
ノコノコとここまでついてきておきながら

なんだよ、それって感じだろうか・・・


私は床を見たままでいると


「ほら」

「ひゃっ」


部長は、冷たく冷えたペットボトルを私の顔に当てた


「酔ってるんだろ？A」



「・・いえ、大丈夫・・です」


「水飲んで？」


そう言って私の手を引きベッドに座らせた

部長は、私に近づくことなく
デスクに置いた
電子タバコを持ち

そして、窓際にある
カウチに腰をかけ、火をともした

いや、火っていうのだろうか・・・

どうでもいいことを私は考えながら

ペットボトルの口を開け
水を数口流し込む

さっきのバーとは違い
今度は口からお腹の中心まで
その冷たさが伝わる


「大丈夫？」

そう聞いた部長に

「大丈夫です・・・すいません」

「だから、どうしてすぐ謝る？
謝るところじゃないよ」

「いえ・・その・・・」


「何？」


「いえ・・あの」


「あははは、どうした
いつも会社なら、結構ハキハキ発言するじゃん」


「それは・・今とは、
その・・・」


あぁ、絶対こういう事なんだ
私のダメなところ

この歳にもなって、
結婚どころか、男からも遠ざかってるのは

自分に問題があるんだ・・


「ん？」

「いえ、その・・・」


私は意を決して言う

「がっかりさせてしまってすいません」


「は？」


「だから、その・・・ガッカリさせてしまって」


「何を？」


「私、その自信無くて」

そう言うと
背もたれから背中を話し

私の方に向き直した部長

その姿はいつも会社で何か相談するときの

私や、他の同僚たちの相談や悩みをちゃんと身体を向けて
聞いてくれる
いつもの部長で



「自信？俺にはそうは思えなかったけど
どんな？」


「非常に・・・言いづらいのですが」

「なんだよ、業務報告みたいだな」


「ですが部長・・・」


「より業務報告じゃねぇか
まぁいいわ、っで？」


「その・・部長を満足させてあげることは
私には・・・」


「へ？」


「だから、その・・・私にはそんな魅力もねぇでござんす」

「なぜ、江戸っ子」


ダメだ
これは本格的に酔いが回ってきたのか

「なぜでしょう」


泣きたい

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