冷えた ページ16
俺は、そっとかぐやの体を引き離し
「帰ろう・・・」
そういって、かぐやの手を取り
ロックを解除して、エントランスから入った
冷え切ってしまったかぐやの手
どれだけの時間ここにいたんだ？
エントランス奥のエレベーターに乗る
「さっき、言ったろ？俺の手を離すなって・・・」
どんどん変わっていく数字をみながら、俺はそうかぐやに言った
か「・・・うん」
ヒクッ、ヒクっ。と泣くのを我慢してるかぐや
・・・
・・・
智「ごめんな・・・」
か「・・・・う・・」
手を離すなじゃなくて、
俺が手を離したからだ
俺が悪かったんだ
そして、ふいに、さっきの潤くんの言葉が頭をよぎる
「かぐやって・・・A？」
俺は、おそる、おそる 確かめるように
智「かぐや、おめぇ、Aって言うのか？」
グゥィィィンと、エレベーターが上がる音だけが聞こえ、
そして、その音が、ゆっくりと止まった
そして・・・
エレベーターの扉が開いたと同時に
か「・・・うん」
と、かぐやが、頷いた
俺は、一瞬、時間が止まったんじゃねぇかと、
錯覚しそうになったが
智「そっか・・おめぇはAっていうんだ」
と、淡々と返した
すると、またしても、コクンとうなづいた
開いた扉が、再び閉まりかけたので、
時が止まったんじゃないことに気づき
おもわず、足で、トンと、ふたたび、開かせた
智「帰るぞ」
と、俺は、Aの手をひっぱった・・・
そっか、かぐやじゃ・・・ないんだな・・・
玄関まで、半ば強引に、引きずるように、冷たい手を引いた
あれ？
俺は、一つの疑問がひっかかった
いろいいろな感情が入りまざわって、
あやうく見過ごすところだった
玄関のドアの前で、
俺は、かぐやに聞いた
智「かぐや・・・自分の名前は、思い出したの？」
と
かぐやは、一瞬、俺を見たが、
すぐにうつむいた
違う
名前だけじゃない
たぶん・・・
俺は、ポケットから、鍵を取り出し
ドアを開け、
かぐやを中に入れた
智「寒かったろ、とりあえず、中に入んな」
そういって、常に、同じ温度で保たれている、部屋にもどってくる
部屋は、さっき、慌てて追いかけて行ったその時のままだ
一緒に、すすき野原にある
ソファーに腰かけさせた
とりあえず、落ち着くんだ
何から聞けばいい？
どうしたらいい？
でも、聞けば、おたがい傷つけ合うのではと、
少し躊躇した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 768人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チェリー(プロフ) - こんにちは！ずっと見させていただいております！移行も、楽しみにしてました(^o^)／これからも頑張ってください！！ずっと応援してます！ (2017年7月3日 23時) (
レス) id: a0fb27e534 (このIDを非表示/違反報告)
shocola(プロフ) - 紫姫さん» うふふ (2017年7月3日 21時) (レス) id: 9653387dc9 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - shocolaさん» かぐやちゃんのことわかってきた？よかったwww (2017年7月3日 19時) (レス) id: e9c302e907 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - かよさん» かよちゃん、なんやかんやで、移行しちゃったwww 短編の予定だったのになぁ (2017年7月3日 19時) (レス) id: e9c302e907 (このIDを非表示/違反報告)
shocola(プロフ) - 紫姫さん» 大好きやもん！ゆっくりやけど、かぐやちゃんも分かるようなってきて楽しみになってる！ (2017年6月29日 21時) (レス) id: 9653387dc9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫姫
| 作成日時：2017年5月2日 8時
