双子の歌い手は何でも屋！_幕開けの準備編_

27.昔の約束事 ページ37

「僕はヒーローだから、弱いところは見せちゃダメなんだ」

この言葉はどこの言葉だっただろう
そうだ、昔莉沙お姉ちゃんと空飛とはまってたヒーローアニメのヒーローのセリフだ

このヒーローが僕ら三人は大好きで、よくごっこ遊びをしていた
「じゃあ、わたしヒーローね！」
「じゃあ、おれ適役〜、Aは？」

「わ、わたしは…」

このときはまだわたしといっていた。
なかなか友達の輪に馴染めなかった僕といつも一緒に遊んでくれた莉沙お姉ちゃん。莉沙お姉ちゃんはヒーローのセリフをいつも真似していた

「僕はヒーローだから、弱いところは見せちゃダメなんだ

どう？にてた？」
そう笑いながら問いかけてくるお姉ちゃんに、いつも僕は笑顔で

「凄い似てたよ…！お姉ちゃんは私たちのヒーローだもんね」

そういうときまって莉沙お姉ちゃんは照れながら頭を撫でてくれるのだった

そして月日は流れ、莉沙お姉ちゃんは亡くなる

「おれたち、これからどうしたらいいんだろう…」

不安そうな空飛に僕は思わずこんなことを口走る
「『僕達』で、何でも屋を作ろう。
誰にも秘密の、選ばれたものだけがいける、何でも屋を。」

なんでこんなことをいったのかはわからない。
でも、莉沙お姉ちゃんを救えなかった悲しみを、代わりのひとで埋めようとしていたのかもしれない

その後から僕は一人称が『僕』となる
あのヒーローと同じ、莉沙お姉ちゃんがすきだったヒーローと同じ一人称に









「僕はヒーローだから、弱いところは見せちゃダメなんだ」
独り言のように呟いた僕は、ある決心をする

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