愛を考えてみて、それから伝える【黒尾生誕祭】 (ページ33)

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貴方の隣、愛を誓う。ページ33

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そして迎えた鉄朗の誕生日。
0時ぴったりにおめでとうLINEも送り、昨日のプレゼントも持って準備万端。ただ、受ける講義が夕方までかかるっていうのは唯一、気が落ちるところだったが。

本当はレストランなんかとっておしゃれにしたかったけど鉄朗がそんなのいいと言ったのでそれはなしになった。

それにしても隣を歩く彼はどこか元気がなかった。
気のせいかと思ったが、どうも誕生日のテンションではない。

「鉄朗、どうかした？」

そう問いかけると、別に、と言って私と繋いでいる手をさらにきつく握った。
そしてこの行動で分かってしまった。

きっと鉄朗は知っているのだ。私と衛輔が昨日一緒にいたことを。
不覚だったと思いつつも、私は口を開いた。

「ごめんね、鉄朗。昨日は鉄朗のプレゼント買いに行ってたの。だから午後も出かけられなくなっちゃって。ごめん」

「…そ。だけど、夜久といえど男だろ。いくら俺とも仲がいいからって、2人っていうのは嫌だった」

「うん。…誕生日に嫌な思いさせてごめんね」

本当に申し訳なく思った。いくら鉄朗のためとはいえ、私だって鉄朗が他の女の子と二人で出かけることを考えたら嫌だった。

私がそういったのと同時に、教室の前についた。そしてお互いの席につく。
誤解を解いたといえど、鉄朗が許してくれたといえど。

お誕生おめでとうと沢山の人に声をかけられても彼は貼り付けたような笑顔を浮かべて。
鉄朗の調子は夕方まで戻ってくれることは無かった。

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