【BLEACH】名の異なる斬魄刀を持つ代行

『このくらいなら』 ページ41

不幸がこうも重なってしまっては、と、彼女は溜め息をついた。





──どうせなら。






この有り余る霊力を、ここで使ってしまおうか。







彼女は心の中で問いかけた。






なんなら、この力を失っても構わない。

暴走を止めることはできないか？

頼む、レン、リン。教えてくれ！！







──できねぇこともない。


──ただ、


──虚は見える。


──が、触れない。






問いかけに返答。



彼女は少し考える。





虚は見える。でも触れない。


どういうことか。つまり。




目の前で魂魄が虚に襲われていても、助けられない、ということ。








「──私はそんな優しい奴じゃないからね。

　はやく、崩玉を止めて」








“自分が悲しんででも他人を救えるお前は相当優しい”






そんな言葉が聞こえた。



彼女が崩玉に触れた途端、透明ななにかが崩玉を覆い、立体を作る。




崩玉は、今までの暴走が嘘かのように静まった。







「Aサン……！？」





「このくらいなら、私にもできるさ」








笑った彼女は、すでに死覇装を纏ってはいなかった。

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