09 ページ9
少し、昔話をしよう。
この私の、ちっぽけな昔話を。
昔から、親には褒められたことしか無かった。
テストで100点をとったときも1位になったときも
バスケでスタメンになれたときも優勝したときも
すべて、『よく頑張った』『さすがだ』『偉いな』と。
ようするに、甘やかされて育った。
中学になり、周りの目線を知った。
『なんでアンタなんかが』
『努力もしないで』
自分の悪口だった。
“努力もしないで”という周りの言葉は間違いじゃない。
今まで勉強も練習もせずになんでもできた。
所謂天才ってやつだろう。自意識過剰かもしれないけど現実だ。
でも、天才ってのも簡単じゃない。
前にアニメや漫画で見たような、皆の憧れの的になんてなれかった。
なれやしなかった。
妬みの元になって、私の心は死んだ。
“もしも、私が平凡だったら”
いつの日にか、想像で補えなかった《理想》を妄想した。
そんな私が、あるとき一味変わった妄想をした。
いつもしている、自分が平凡ならという妄想ではなくて。
“もしも、漫画の世界にトリップできたら”
自分と同じような天才が居る二次元では、自分の好きなように出来るのではないか。
そう願った。願ってしまった。
──絶望の、前兆だった。
32人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
進撃のいちご(プロフ) - 無気力系脱力猫さん» あまり曲にそってしまうと、それは著作権の侵害になってしまうので、あくまで“妄想税風”という作品になっております。 (2015年4月10日 19時) (レス) id: bbe20826a6 (このIDを非表示/違反報告)
無気力系脱力猫 - 妄想税の小説でいいの?面白いけど、題名からしたものがわかんなかったナリ (2015年4月10日 15時) (レス) id: c440255398 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ