letter_3 ページ5
-黒子side-
“新しいメッセージがあります”
「…え」
手紙のやり取りをしたいとメッセージを送って、数分。いや、まだ五分もたっていないだろう。
僕は、パソコンを目の前にして思わず小さく声をあげてしまった。
いや、だって、こんなに早く返信がくると思っていなかったですし。
え、こんなに早く返信がくるのだったら、プロフィールとかもうちょっと詳しく書けばよかったでしょうか？
必要最低限ほどのことしか書いていない自分のプロフィールをみて、黒子は数分前の自分に戻りたい気分になった。
そもそも“文通”をやってみようと思ったのも、ついこの間のことで萩原とのやり取りから興味を持った……という軽い好奇心からの挑戦だった。
「とりあえず、宛名を確認しましょう…」
このタイミングからして、ほぼ誰からなのかはわかっているが、少し緊張しつつ宛名をみる。
案の定、宛名はさっきメッセージを送ったAさんだった。
彼女にお誘いのメッセージを送った理由は、プロフィールをみて、自分と同い年で読書好き、そして文通履歴がなかった……という、共通点が多いからだった。
………が、こんなに早く返事がくると予想してなかったため、黒子は少なからず動揺していた。
「…内容をみましょう」
何はともあれ、返事が“はい”なのか、“いいえ”なのかを確かめなくては。
やり取りできるといいな…なんて淡い期待を抱きながら、マウスをクリックすると……
“よろしくお願いします”
固定メッセージで送られているその一言の返事は、僕の淡かった期待に答えてくれてるようだった。
「やっ、た…！」
思わずあげてしまう声。
僕は、文通のやり取りができることが嬉しくて、いつも使う敬語のことなど一瞬忘れていた。
これから、今画面越しにいる彼女と、どんなやり取りをするんだろうか。
何を手紙に綴るのだろうか。
もしかしたら、読書の話で盛り上がるかもしれない。
期待と嬉しさと、楽しみが増えたような感覚。
黒子にとって、“文通”という存在が大きくなった瞬間だった。
“Aさんが文通リストに追加されました”
自動的にリストへと登録され、Aさんの住所が送られてくる。
まずは、僕のほうから書かなくては。
こっちからお誘いメッセージを送ったのに、相手からの手紙を待つのは失礼だと思い、Aさんに一言メッセージを送り、ペンをとった。
_____“こちらから手紙を送ります”
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
「アニメ」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜空 - なるほど…。明るいキャラを出すために使ったのですが、気になるポイントになるんですね…。参考になりました！これからはもう少し表現を変えてみようと思います！コメント、ありがとうございました！ (2015年4月26日 8時) (
レス) id: db1ba5d6d4 (このIDを非表示/違反報告)
リラ@占ツク1周年(サバ読み)(プロフ) - 面白いです！でも顔文字とか微笑みとか入れると私は気になるのでないともっといいかなと思います。上からでごめんなさい……。でも応援してます (2015年4月25日 12時) (レス) id: f00b686e9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜空 | 作成日時：2015年4月19日 9時
