letter_13 ページ15
-Aside-
秋特有の涼しい風が吹き、傾いた夕日が道路を染める。
私は今、双葉と帰るために下駄箱で待っていた。
運動部は何故こんなに終わるのが遅いんだろう…。
一人ため息をつきながら、この間の手紙のことを思い出す。
テツヤさんの学校も載ってるのではと思い、全中のことが載った月バスを買って驚いた。
優勝、帝光中。
そして、優勝に導いたとされる“キセキの世代”の記事。
テツヤさんの中学校は優勝したとは聞いていたが……まさかあの帝光中とは。
帝光中は“百戦錬磨”を目標とする強豪校だ。
その実力はバスケファンなら誰もが知ってるほどのものなのだか……。
……“強豪校らしいです”じゃないよ、テツヤさん!
テツヤさんはあれか、天然なのか!?
と一人心の中で思わず突っ込んでしまうほどの驚きだった。
確かに帝光中なら体育館が四つあってもおかしくないしね。
そしてもうひとつ驚いたこと。
____“秋季二軍昇格テストに落ちてしまいました”
あれだけ一生懸命に努力し、弱音を吐かなかったテツヤさんがバスケを辞めようと思うまで追い詰められていた。
でも、“キセキの世代”青峰大揮がバスケを辞めることを止めたそうだ。
“バスケ好きに悪い奴はいねぇ!”
が、彼の持論らしい。
そして、副キャプテン“キセキの世代“赤司征十郎にアドバイスを貰って新しい自分の型-スタイル-を模索・練習中だそうだ。
テツヤさんが再び前に進み始めようとしているのに、何故か素直に喜べない。
一緒に悩んであげれたら。
少しでも彼の力になれたら。
バスケを辞めようとしたときに一番に引き止めたのが私だったら良かったのに。
彼がバスケを続けるというのはもちろん嬉しい。でも、胸がもやもやするのだ。
心が晴れないというか、薄い雲がかかったようにすっきりしない。
結局、ここ数日間はもやもやしっぱなしで親友である双葉に相談しようとしたのだが……。
遅い!とにかく遅すぎる!
完全下校時間まであと2分くらいだよ!
下駄箱に寄りかかっていた体を上げ、今日は諦めようかと双葉にメモを残そうとしたその時…。
「A!遅くなってごめん!完全下校ヤバイから走るよ!!」
急いで着替えたのか、整えてない制服を纏った双葉が大声を出しながら走ってきた。
『やっときた…。って、え?』
彼女は猛ダッシュで私の手を掴み、そのまま全速力で走りだした。
…秘色A、12歳。テツヤさんの死にそうな気持ちがわかりました。
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夜空 - なるほど…。明るいキャラを出すために使ったのですが、気になるポイントになるんですね…。参考になりました!これからはもう少し表現を変えてみようと思います!コメント、ありがとうございました! (2015年4月26日 8時) (レス) id: db1ba5d6d4 (このIDを非表示/違反報告)
リラ@占ツク1周年(サバ読み)(プロフ) - 面白いです!でも顔文字とか微笑みとか入れると私は気になるのでないともっといいかなと思います。上からでごめんなさい……。でも応援してます (2015年4月25日 12時) (レス) id: f00b686e9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜空 | 作成日時:2015年4月19日 9時