鎖【月永レオ】【天祥院英智】 (ページ39)

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なかなか練習に参加しないって朱桜くん、言ってたっけ。
大丈夫なのかな、色々と。

「おや、A。」

「…あ…」

考え事をしていたせいか、私は前からくる英智さんの存在に気付いていなかった。

「これから帰りかい？」

「はい。英智さんは今日、確か部活動でしたよね？」

「うん。…あぁ、A。そのことなんだけど…」

彼がそういいかけたとき、ちょうど私の携帯が鳴った。

「あ…す、すみません…！！」

「…あ…いいよ、別に。」

電話さん…タイミング、悪すぎだよ。
英智さんに一言断ってから、「もしもし」と電話越しに話しかけた。

『こら、A！おまえ、スオ～におれの居場所教えただろっ！』

「…は、はぃい…？」

朱桜くんに、居場所を教えた？
さっきのことかな。けどあれ大まかにしか教えてないし…？

『そのせいで捕まった！折角いいフレーズ思い付いたのに～！』

「は、はぁ…すみません…」

…いや、だって朱桜くんに『Leaderの居場所は…』なんて聞かれたら普通教えるでしょ。

『罰として、今からおまえこっちこい！いいフレーズが浮かばないから手伝え！』

「は、はぁ…！？ちょっと待って、それってどういう……切れた」

月永先輩との通話は、一方的にかかってきて一方的に終わった。