43. ページ43
ヴヴヴ、と言う携帯が震える音で、私はようやく意識をとり戻した。
いつの間にか、寝ていたのだろう。月永くんに寄りかかる体制になっていたから、たぶん彼が寝やすいようにしてくれたんだろうな。
横で私と同じように寝ている彼を起こさないように、身長に抜け出して、急いで携帯の画面を押す。
誰からだ？…ちゃんと見ていなかった。
「……もしもし…？」
『やあ、僕だよ。』
電話の相手が英智だと知り、私は思わず携帯を落としそうになった。
「……英、智…！？なんで…」
『少し落ち着いたからね、かけてみたんだ。』
…彼はそういうと、さっきまでの出来事を簡単に話した。
…私とレオがレストランから飛び出したあと、玲さんは父に、こういったんだって。
『自分よりも、Aさんに大切な人がいるのなら……この結婚は、お断りさせていただきます。彼女のために、ならないので。』と。
……長月さんは、父に説得…というか、説明をしてその場を去ったらしい。
騒ぎになってしまったレストランにいられなくなった両親は、一旦家に帰ったそうだった。
『ふふ、父も母もとても機嫌が悪くて困るよ…早く帰っておいで。話し相手がいないから退屈で仕方ないんだ。』
「……えっと…そんなに早くは帰れないか…も…っ！？」
そう返事をしようとしたとき、ふと、月永くんが後ろから私を抱きしめてきた。
「……つ、月永くん…っ…！？」
突然の出来事に、私は顔を真っ赤にして焦る。
何が起こったかわからない画面越しの英智は、『月永くん？』と私に聞いていたが、答えられなかった。
「……なぁ、この電話…『皇帝』と、繋がってんの？」
「……つ、繋がってるけど……」
ふぅん、と声を漏らすと、彼は私からひょい、と携帯を取り上げた。
「あっ…！？」
「もしもし、『皇帝』？今日さぁ、親御さんにちょっと挨拶行きたいんだけど、駄目？結構やらかしたからさ、謝りたくて。」
……真面目な声のトーンでそういうと、彼は「うん、うん」という相づちをうち、通話を終了したのか携帯を渡してきた。
「よし、今からおまえの家行く。」
そしてそうけろり、というと、そのまま私の手をとり歩き出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月永レオ好き - すごく面白いです。続きが気になります！！！更新待ってます。 (2016年9月5日 13時) (
レス) id: b165aa0944 (このIDを非表示/違反報告)
くろぱぁ(プロフ) - 大好きです！！更新頑張ってください(*'ω'*) (2016年8月23日 3時) (レス) id: 69a9c8148d (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - 頑張れ、夢主ちゃん(｀・ω・´) すごい面白いです！更新ファイトです( ｀ー´)ノ (2016年8月21日 15時) (レス) id: a67824bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：睦月
| 作成日時：2016年8月15日 1時
