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「知り合い?」





葵くんと話している最中、とんとん、と月永さんが私の肩を叩いて来た。




初対面…だったのかな。いや、無理ないか。この学院広いし、人数も多いし、ましてや学年違うし。知らなくても無理ないよね。






「葵ゆうたくんです。クラスメイトの。」





そう私が言うと、月永さんはふぅん、と呟いた。
何か、まずいことを言っただろうか。…いやでも、これ普通の会話だし、私の考えすぎだよね?




ううん、と唸って、私は考える。何か踏んだかな、嫌なこと言っちゃったかな、とか。
…今日知り合ったばかりなんですよって、いらなかったんじゃ…普通友達が出来ましたなんていちいち言わないよね…?どうしよう。けど言ってしまったことはもう仕方ない。…面倒だと思われるかもしれないけど、ここはひとつ謝って…






「みょうじさん?」






「…あ!、ご、ごめんね…何…?」





急にふと肩を叩かれて、私ははっとして顔を上げた。
いけない。…また自分の世界に入り込んでいたみたい。周りが見えなくなっちゃうから、なるべく人前では深く考えないようにしていたのに。





「いや、もうそろそろ休み時間終わっちゃうから…授業でれるなら、一緒に行かない?って思って。大丈夫?」





「あー、う、うん、平気……あれ…?」




「どうしたの?」




きょろきょろと、周りを見渡す。
…どこに、行ったんだろう。ついさっきまで、そこにいたはずなのに。




「ねぇ、葵くん。月永さんは…?」




「月永先輩?ついさっきここから出たよ、『頼んだぞ〜』って言って」





「う…うそ…」





まさに今、謝ろうと考えていたのに。



どうしてあの人は、こんなにも自由なんだろうと思ってしまった。

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黒蜜まちゃこ(プロフ) - 天祥院様良すぎる…是非続き見たいです!更新応援してます! (2018年5月20日 15時) (レス) id: e5a697c08e (このIDを非表示/違反報告)
りっちー(プロフ) - 夢主ちゃん可愛い〜!更新頑張って下さいね!! (2018年5月14日 20時) (携帯から) (レス) id: ee27b93d84 (このIDを非表示/違反報告)
あかりん(プロフ) - おぅふ…いいねー!この時が来るのを待ってましたー!友達もおすすめキてきまーす! (2017年8月26日 9時) (レス) id: d4b62537e4 (このIDを非表示/違反報告)
永遠抹茶 - はじめまして!私は英智先輩大好きなのでいつも楽しく読ませてもらっています!続きが凄く楽しみです!更新頑張ってください!! (2017年7月7日 22時) (レス) id: eaae209883 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睦月 | 作成日時:2017年5月20日 0時

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