【鬼灯の冷徹】輪廻転生～願い～ (ページ21)

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拾玖ページ21

Aside

今、鬼灯さまが服を選んでくれている

でも、流石に当の本人である私が何もしない訳にはいかない……

ということで、私も何かないかと探していると、目の端に何か光るものが引っ掛かった

A「？なんだろう…」

近づき、手に取ると、それが簪だと判明

あんまり派手な装飾はされておらず、真っ赤な鬼灯の飾りがゆらゆらと揺れるようになるよう付けられていた

えっと、最近よくある揺れる飾りの付いたピアスやイヤリングを想像してくれれば正解

A「綺麗…本当の火みたいﾎﾞｿｯ」

店員「それ、綺麗でしょ」

A「！あ、はい。綺麗です」

店員「だよね～！在庫はもとから無くって、そこの一つだけ。すっごい人気なんだけど、似合う人が一人もいないんだ、地獄ができてからこれまで」

A「そうなんですね…」

地獄ができてから、って、もう何百、何千年前からここにあるんだろう？

店員「着けてみたら？」

A「でも…これまで似合う人いなかったんじゃ、私なんかが着けても…なのでﾆｺｯ」

それに、簪のような高価なものを、私なんかが着けたら駄目だし…

店員「う"っ！！！(笑顔可愛い！)…い、いかんいかん、騙されんぞ……笑って誤魔化さない！いいから着ける！！」

A「ハァ…分かりました…別に着けるのはいいですけど、似合ってなくても知りませんよ…？」

店員「大丈夫！似合うから！！」

まだ着けてないのに、分かりませんよ、そんなこと

ｺﾞｿｺﾞｿ……

A「はい、着けましたよ」

店員「……(゜ロ゜;」

A「…微妙な顔ですね、どっちですか」

店員「……もって帰って、それ。きみ以上に似合う人とか、地獄が滅んでも現れないから」

流石にそれは言い過ぎでは……？

A「…やっぱり、いいです。きっと、私よりもずっとずっと似合う人がいますから。こういうのって、ある人がもって帰ったすぐ後に更に似合う人が来たりするんですよ」

店員「でもっ…」

鬼灯「Aさん、これでよければお会計しますよ。確認してください」

A「はい。…いいんですよ、本当に」

店員さんはずっと残念そうな顔をしていた

すみません、店員さん