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第３５話 ページ35
「なんでお前が泣きそうな顔をしてんだよ」
告白を断ったお前のほうが俺よりも何倍もつらそうな顔をしている。
そんな彼女を見ていられなくて
俺はAを腕の中に捕まえた。
『せん、ぱい？』
ゆっくりとこっちを向くけれど、
やっぱり彼女は泣きそうな、
今にも泣いてしまいそうな表情をしていた。
「泣くなよ、ほら」
涙を指でぬぐってやる。
『あの、そろそろ離してください』
「っと、悪い」
はっきり言って無意識だった。
泣いているAの顔なんて見たくなかったんだ。
逃げ出す気はもうないらしく大人しく目の前に座っている。
さっきは言葉足らずだったな、と本心をすべてメモ帳に書き取っていく。
「ほら、読んでみろ」
ゆっくり言って、
携帯も見せれば意図は通じるだろう。
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作者名：ユーリ | 作成日時：2014年10月16日 14時
