第13話 ページ13
『すみません、送ってもらっちゃって』
「いや、気にすんな。このまま一人で帰すほうが気になるし」
二人、並んで家へと帰る。
もう外は真っ暗だ。
「あ、ちょっとコンビによっていいか?」
『もちろんです』
帰り道の途中であったコンビニへ笠松先輩は入っていく。
私は何も買う予定などないので駐車場で待つ。
コンビニに入ってから5分もしないうちに笠松先輩は出てきた。
「ほら」
ひょいと渡されたのはアイスクリーム。
夏が近い今から必要なものだ。
『あ、ありがとうございます』
袋から出し、棒付アイスを口の中へと運ぶ。
その瞬間、冷たさが口の中に広がった。
『おいしい。・・・あっ、いくらですか?』
「俺が買いたかったから買っただけだ。
別に金はいらねーよ」
口に咥えたままカバンから財布をごそごそ漁る。
だけど笠松先輩がそういうので優しさに甘えようかと思った。
『ありがとうございます。笠松先輩』
自然と彼の前で笑った。
―――これから家に帰るというのに。
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作者名:ユーリ | 作成日時:2014年10月16日 14時