兄妹8 ページ8
『ハァ・・・』
「大丈夫アルか?A。また溜息ついてるアル〜」
『劉・・・』
知らぬ知らぬうちに溜息の数は増えているらしい。
それも仕方ないじゃないか。
健介と恋人でいられるのなんて今年が最後だ。
少なくとも卒業したら、兄と妹として接しなければならない。
まぁ、同い年だけどね。
ただ健介の方が誕生日が早いからお兄ちゃんなだけ。
『ねぇ、劉。突然クラスメイトが家族になるってなったらどう?』
まさか健介なんて言えなくて。
でも一人で抱え込むこともできなくて。
弱い私は劉を頼る。
「クラスメイトが家族アルか?
今まで通り接するアル。今更変に家族としては接することはできないアル」
『そっか。そうだよね』
そこが一番の問題なのだけれど。
健介と別れたくない。
けどお父さんや義理母さんを裏切りたくない。
二つの相容れない感情がぶつかり合って。
だからこそ私は苦しんでいるんだ。
別れたくない。裏切りたくない。
ごめんね健介。
弱い私を、ずるい私を許して。
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作者名:ユーリ | 作成日時:2014年10月16日 13時