天気良好、温泉、大浴場 ページ23
「行くぞ」
「あ、ちょっとまってってばぁ!」
きょうは古橋くんといっしょにおんせんにいくよていで、
てんきはよく、がいしゅつびよりだ。
「…なんでおんせんにいこうとおもったのさ」
「温泉には効能が色々あるだろう。ゆっくり休め」
ありがとー、なんてつぶやいてみる。
きこえたかな?きこえてないかな?
すこしわらってるようにもみえたから、きっときこえたんだろうな。
「じゃあ…30分後くらいに、ここ集合だぞ」
「あいあいさー」
古橋くんとろびーでわかれ、おんなゆのほうこうにゆっくりとあるいていく。
こけたらたちあがれないかのうせいもあるからだ。
ゆっくりゆっくり、いっぽずつかくじつに。
とちゅうでこけそうにもなったが、なんとかもちこたえた。
「あったかい…」
ぼくのくちからことばがもれる。
ふとまわりをみると、だいよくじょうのほうにはだれもきていなかった。
「貸し切りか…なかなかいい気分だな」
ばっ、とこえのほうをむくと、古橋くんがたっていた。
「…ここおんなゆじゃないの?」
「いや、混浴らしいが……まさかお前がいるとは思っていなかった」
ぷい、とめをそらす古橋くんは、うっすらとほおをあかくしている。
そのままじーっと古橋くんを見ていると、ぽんぽん、とあたまをたたかれた。
「あまり見るな…恥ずかしいだろう」
そうやってほおをふくらませる古橋くん。
つんつん、なんてほおをつついてみる。やわらかかった。
「こら、止めろって。」
「そういえばお前…髪は洗ったのか?」
ぼくがまだだとこたえると、古橋くんはすっとたちあがった。
「髪を洗ってやる、立て」
「うぁ……ん…ちょ、いたい」
「変な声を出すな、馬鹿」
ぐい、とあたまをつかまれる。いたいいたいいたい。
「ほら、目を閉じろ。泡を流すぞ」
ひととおりあわをながしおえて、もういちどゆにつかろうとした。
「…のぼせたの?」
「いや…違う。なんだか、こうしていたい」
古橋くんが、うしろからだきついていた。
しかし、このままだとさむい。なんたっていまはふゆだ。
ぼくがことばをはっしようとしたしゅんかん、
せなかにちいさないたみがはしる。
「…なに、したの」
「何って…」
きみはちいさくわらってから、
ぼくのみみもとでこうささやいた。
「Aの背中に、キスマークを付けただけだ」
【背中へのキスは、確認の意味】
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霧崎沙流@天ぷら系女子(プロフ) - [忘却王]れおさん» 面白かったですか…。とても嬉しい限りです。こちらこそ、この作品を最後まで読んでくださりありがとうございます。 (2014年3月29日 22時) (レス) id: 212878b2bc (このIDを非表示/違反報告)
[忘却王]れお(プロフ) - 完結おめでとう。すごく面白かったです。終わらせ方も好みでした。ありがとうございました。 (2014年3月29日 22時) (レス) id: 8ad14d2c12 (このIDを非表示/違反報告)
霧崎沙流@天ぷら系女子(プロフ) - ★黒猫★さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2014年3月20日 18時) (レス) id: 212878b2bc (このIDを非表示/違反報告)
★黒猫★(プロフ) - 続きが気になります.更新がんばってください! (2014年3月20日 16時) (レス) id: a547ed74fa (このIDを非表示/違反報告)
★黒猫★(プロフ) - 続きが気になります.更新がんばってください! (2014年3月20日 16時) (レス) id: a547ed74fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霧崎 沙流 | 作者ホームページ:http://yaplog.jp/kirisaki73/
作成日時:2013年7月19日 21時