二十五話。 ページ27
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「るぅと、クロ確定やんな」
「待って!違う!僕じゃない僕じゃない!!」
リビングの中ではそんな声が響いていた。
はー…もう夜8時回ってるんで、寝たいんですけどね。
今はリビングの机でお菓子をつまみながら雑談しているようだ。
あー、マジうるさい。
隣の部屋の人困るんじゃないの…?あ、ここ完全防音だったわね。
「この前、俺がるぅとところんとラーメン屋行った時に、俺の財布勝手に取って支払ってたやん!」
「あ、それ僕も見たー」
ジェルくんの訴えに、ころんが片手をあげて賛同した。
あら、るぅちゃん何したの?
「ねえ違うよ!ジェルくんが酷いー」
るぅとくんが涙声になってそう言う。
くっ…母性が反応するが、だまされるな私。
これは作られた可愛さ…計算された可愛さというものだ。
絶対にっ…騙されては……っ!
「……ニャーン」
私は思わずるぅちゃんの膝に乗ってしまった。
仕方ない、あの可愛さには勝てん。
「あ、ほら!Aも僕は無実だって言ってくれてますよ!」
るぅちゃんが喜んだように声を高くした。
すると、私の喉元を撫でる。
喉元撫でられるのって心地いいから好きなのよね…。
「でもさ!Aは黒猫じゃん。クロってことじゃないの?」
なーくんがからかうような口調でそう言った。
あ、そういえば私黒かったわね。
るぅとくんも「えっ」と声を上げている。
「ミャア」
るぅちゃんはシロよ。……クロだったとしても、この可愛さはシロよ!
そりゃね?さとみくんが一番好きだし、るぅちゃんに恋愛感情は無いけども。
でも!こんなに可愛い男の子を放っておけられるわけがないじゃない!
「はい、るぅとのクロ確定ー!」
「ニュァ―ン」
さとみくんが勝ち誇ったような笑顔でそう言う。
シロよ!そりゃたぶんクロなんだろうけどもシロだ!
「Aちゃんもそう思うってー」
莉犬がるぅちゃんの膝から私を奪い取る。
莉犬とはこの六人の中じゃ、一番仲良かったなー。
委員会が一緒だったのが大きいわね。
逆になーくんとはあんまり話さなかったかも。
私はそんなことを思いながら、莉犬の膝に丸まった。
「じゃあ、るぅとはクロ決定!はい、俺の勝ちー」
ジェルくんがそう言って、後ろにのけぞった。
その喜び具合に、他の五人も笑顔になっている。
「僕じゃないんですってばー…もぉー」
るぅちゃんはまだ言っていたが、諦めたようにポップコーンをつまんでいた。
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時