現在と過去 ページ5
『っ……』
閉ざしていた目を開けると…目の前には眩い程
の日の光と、教室の窓枠が視界に映った。
…どうやら、いつの間にか眠っていたらしい…
…それにしても、嫌な夢を見てしまった…
息苦しさを感じて…心做しか重い体を伏してい
た机から起き上がらせる…。
それでも晴れない胸の蟠りにため息を零した時
だった…。
「りっくん、おはよう〜♪よう寝とったね!あんまり気持ち良さそうに寝てるから起こされへんかったんよ」
「おっはよう!綾!よく寝てたな〜!」
二つの声が優しく鼓膜を震わせた……。
振り返って見たそこには"笑顔"があって…。
『っ……』
「りっくん?……あかん…固まってしもうた…」
「寝起きにお前の顔見たからじゃね?つーわけで早くお帰りくださりやがれ」
「何やのん?!自分!それを言うならあんたの気色悪い顔みてりっくん固まってしもうたんやないん?…せやから出てくんはお前や!」
「あ"ぁん?俺はなぁ!綾とユニット組んでんの!なんでお前に命令されなきゃならないんだよ!」
「よう言うわ!りっくんを1人にさせといたのはそっちやろ!」
あの夢の直後だということもあり、思わず固ま
ると、何を思ったのか…影片と天の会話は喧嘩
へと発展してしまった。
…そういえば…天と影片のやりとりを待っている間に眠ってしまっていたのだった……。
『…天、五月蝿い』
「あでっ!り、綾?!何で俺だけ?!!」
とりあえず終わりそうのないやりとりにギプス
を巻いていない左手で天の頭を叩くと、案の定
2人のやりとりは終了した。
何やら、叫んでいる天を無視して2人を見れ
ば、頑なにと周りとの関係を絶っていたあの頃
には想像も出来ない程の仲間に囲まれているの
だと実感する…。
「あ、そうそう。Trick Starとプロデュース科の木咲がお前のこと呼んでたよ…なんでも、起きたらで良いから来て欲しいって」
こいつらだけじゃない…Trick Starや木咲…ク
ラスメイトや先輩……。
沢山の人の中で過ごすことが当たり前になって
…例え、束の間の当たり前の幸せだとしても…
今はこうしてこの生活を甘受していたいと感じ
るのはやはり我が儘らしい……。
心の中でアイツが、"嫌だ"と泣いていた___。
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月(プロフ) - 何やら雲行きの怪しい展開…とても心配な気持ちはあるのですが、同時にこれからどうなるんだろうとワクワクしている自分が同居中ですね。天くんが、再び満面の笑顔を浮かべてくれることを、祈るばかりです。今回もとても楽しめました!更新本当にありがとうございます! (2021年7月20日 2時) (レス) id: dd81dfded8 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - そぬんさん» 読んでくださりありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです! 中々更新できず、申し訳ございません。終わり方は決まっているので、最後まで書くように頑張ります! (2020年7月27日 11時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)
そぬん - これからどうなっていくのか、気になります!!弟さんとのことも…。大変だとは思いますが、更新頑張ってください!! (2020年7月25日 10時) (レス) id: 19aa650d6b (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 月さん» いつもありがとうございます!丁寧な御感想と応援の御言葉にいつもじっくり読んでくださっているのだと感じ、嬉しいのと同時に感謝の気持ちでいっぱいです!ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年4月25日 0時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - 朔櫻 実桜さん» 綾くんから時々見える闇、それから逃れるための光が天だとかTrick starになっていく。その過程を知ってから読むと深いものを感じますね。これからも応援してます。更新頑張ってください (2019年4月12日 20時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔櫻 実桜 | 作成日時:2017年4月1日 2時