【拝啓】二次元の勧め【二次元を夢見る貴方様へ】

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ーーー八ヶ月後ーーー








もうすぐ、受験だなあ。

シャーペンをくるくるまわして、口に出す必要もない言葉を心の中で呟いた。




家の中は、無人。




多恵子さんは、病院にいて

父さんは多恵子さんのそばに居る。









……ちょっと、心の中に靄ができるわけで。









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「……ふぅ」






一息ついて、椅子から立った。

氷が溶け切り、少量の水が入っているコップを持ち、リビングへと向かった。









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リビングに降りたら、おにぎりが五つ置いてあった。

お母さんのと比べると、このおにぎりは………不格好。

おっきくて、いびつで


一口食べただけで、ご飯粒がボトボト落ちてきた。



あまい。


絶対に塩と砂糖間違えてる。








「………まっずぅ…」









「こんなの…………誰が作ったんだよ………」









「………あまぁ………ぃ…」









その日は、勉強をほったらかして、おにぎりを頬張った。









甘くて甘くて、不味い。

とても食べられたモノじゃない









………





ごくん、と甘い何かを胃へと押し込んだ。

誰もいない部屋に一人、呟いた。









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………さあ、勉強しなきゃ。





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【ED：すぐそばにある幸せ】

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