検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:48,060 hit

410、アルテミスの矢 ページ14

「俺は、俺たちはマリクに、オリオンを抜けて「本当のサッカー」をやって欲しいんだ!」

苛立っているマリクに説得を試み続けていると、



「それでは何も変わらないよ」



どこからか聞き馴染みのある声が聞こえてきた。その人物は出入り口からこちらへ歩み寄ってくる。

「フロイさん!」

「フロイ…!」

彼はマリクの前で立ち止まる。フロイもマリクに会いに来たらしい。
同じロシア代表なのだから知り合いなのは当然として。

「…フロイ、何も変わらないっていうのは…?」

「マリクがオリオンを抜けても、また第2のマリクがつくられる」

(そんな…そうなったらまた…)

いくらでも悲しい使命を背負ったプレイヤーが生み出される。
言われてみれば、オリオンがそうしてくる姿など容易に想像できる。

そんなのひどすぎる。まるでその人の人生はどうでもいいみたいだ。

「僕も日本と戦って、「本当のサッカー」というものを知った。心の底から湧き出てくる、生きる理由とも言える衝動……それを知った時、僕はそれまで一度も逆らうことのなかった兄さんにも従えなくなった」

「そうだよマリク。オリオンが君に教えたサッカーは「本当のサッカー」じゃない」

「でも…でもでもでも!」

マリクは葛藤している。今日の試合の時みたいに。

「僕がどんなサッカーをやりたいかなんて意味がない!サッカーボールだって、住むところだって、仲間だって……僕はオリオンに全てを与えてもらったんだ!」

だから自分はその恩を返さないといけないと、使命感に駆られている。

そして、フロイの口から出たのは意外な言葉だった。

「そう。恩を返すんだ」

君が背負ったオリオンへの恩を返すんだ。そうフロイは言う。

どういう意味なのかよく分かっていない様子のマリクに、「今度は君がオリオンを救うってことなんじゃないかな」と明日人。

「そうだよ。この僕らの手で、黒い闇に侵食されるオリオンを救う。僕らはオリオンを射る「アルテミスの矢」になって、その闇に染まった心臓を射抜くんだ」

フロイのその言葉で、マリクの表情が少しずつ変わって来た。

「やろうよ、マリク」

明日人が背中を押すと、マリクは「うん」と力強く頷いた。

この日マリクは、この場所でもっと強くなると、その時こそイナズマジャパンと本当のサッカーで戦うと誓ってくれた。

411、それに比べて→←409、自分次第



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
63人がお気に入り
設定タグ:イナズマイレブン , オリオンの刻印 , イナオリ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紅葉 - あああさん» コメントありがとうございます!更新及び返信が遅くなり大変申し訳ございません。亀更新になるとは思いますがこれからも頑張ります! (2020年3月3日 3時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 何度も読み返ししてます!!紅葉さんの作る話が面白くてすごく続きが気になります!このシリーズが好きで毎日チェックしてます笑ヒロトが特に好きなので出てくる度にうぉぉおってなります更新いつまでも待ってます!!無理せず更新頑張ってください!応援してます (2020年2月11日 20時) (レス) id: de8812076d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅葉 | 作成日時:2019年12月4日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。