天使(仮)の人生は平穏無事とはいかない。7【オリオンの刻印】

324、道は見えた ページ28

「A！」「Aちゃん！！」

自分を呼ぶたくさんの人の声で、意識が朦朧としながらも目が覚めた。

視界がクリアになっていき、周りに心配して駆け寄ってくれた仲間たちの姿がだんだんはっきり見えてくる。

…ああ…そっか。私も地雷原に巻き込まれちゃって…

「…うっ…」

起き上がろうとするも、全身が痛みを訴え倒れ込んでしまう。

…痛い。

「ダメよ、まだ動いちゃ！じっとして…！」

杏奈はそう言うが、幸い打ち所はそこまで悪くなかったため、無理をすれば動けないこともなかった。

「…だ…大丈夫…私はまだ…ゴホッ」

痛みに耐え、立ち上がろうとする。

だが、今はまだ思うように声を出すことも難しい。

そんなAを見たヒロトがAと目線の高さを合わせるべくしゃがみ込んだ。

「やめとけ。今のお前にまともなプレイできねーだろ」

「でも…」

一之瀬さん達の為にも、やらなきゃ。そんな責任感がAにあった。

「今は休んでろ。後は俺たちに任せときゃいいんだよ」

「吉良君…」

今のヒロトの目から、頼もしい。そう感じた。



結局、交代を余儀なくされ、杏奈たちに怪我の手当てをしてもらう。

地面に叩きつけられ転がった時にできた打ち身や擦り傷ばかりで、火傷はないという。

「あいつら、ふざけた真似しやがって…！」

アツヤはそんなAを見た後、アメリカチームを睨みつけていた。



立て続けに被害者が出てしまったことに、実況や観客すら驚きを隠せなかった。



だが。

「みんな、道は見えた」

アフロディが爆発の瞬間何かに気づいていた。

「アフロディさんも気づいていたんですね。地雷の正体に」

野坂も同じく。

「誤魔化すことなどできない。僕の神の目をね」

仲間を傷つけられたアフロディは拳を強く握りしめ、

反撃開始だ。と呟いた。

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