夏の涼しさを求めた結果

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ピンポーン


【はーい、どちら様？】


『えっと、あの佳主馬君と同じクラスの紅月Aです。本日はご挨拶に…』


【あー！Aちゃんね、ちょっと待ってね。】





蝉の声が以外と近くで鳴いている中、Aは住所ととても分かりやすい地図が書いてあるメモ用紙を握りながら、“池沢”とかかれている表札の前にいた。




何故こんなことになったかというと、話は大分遡る。


事の始まりは1週間位前、Aが佳主馬と大暴露大会をした日から2日後の事だ。

“佳主馬の家に挨拶に行きたい”

無駄に常識人のAが送ったこのメッセージから始まった。




またさらに2日後、終業式の日、佳主馬がAの机にメモ用紙を置いていった。

メモ用紙にはめちゃくちゃ分かりやすい地図と住所が書いてあったが、何処の住所なのか分からず、Aはとりあえずポケットに入れて持って帰った。


帰って、OZを開くと、カズマから

“メモ用紙の住所僕の家の住所だから。25日空いてる？この日ならお母さん予定空いてるって。”

との連絡。



この位メモ用紙に書けよ。
Aは思ったがメッセージを入れる前に

“メモ用紙に書かなかったのは紙落としたら困るから。Aならやりかねないでしょ。”

と、可憐に論破された。





そんなこんなで今に至る訳だ。


肩掛けの鞄に、右手にメモ用紙、左手に手土産のケーキ(Aのお気に入りの店の)を携えながら待っていると、ガチャっとドアが開いて

「いらっしゃい。」

と、真顔で佳主馬が出た。

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