二、 ページ3
空が音をあげた。
聞き間違えることは無い、猫の喉をならすような音。
空を見上げれば、分厚い雲の向こうで何かが光っている。
だが、この雲は今立っている場の上空にしか無い。
もうすぐ雨が降りそうだって?そんなん気にしちゃあかんでしょ!
(これは…近くで落ちる!!)
…恐らくもう少し西側だろうか。
こんな近くで見られるなんてワクワクするテンションが上がるヒャホォォォォゥゥウ!!!
もう変態でいい!変態になる!!今ならボルトにだって勝てるぜコンチクショォォォイ!!
「おい!ちょ…待てっつってんだろ!!!」
…なーんか後ろでこわぁい声が聞こえたけど気にしなぁい×2
たっかいとこ〜♪たっかいとこ〜♪
『ここかぁ!!』
たどり着いたのはどっかのビルの屋上。外の螺旋階段を上って来たから社員らしき人にも見つからな〜…い?
『おじさん、もうそろそろ雨降りますよー?』
もしかして同じ思いをもった人だろうか!?
小柄で真っ黒な服を着た男性?というかおじさんは、柵によりかかりながら一人空を見上げていた。…今気付いたけど、このおじさんアヤシイ。
「ふ、はは、お譲ちゃんは良いのかい?」
ふ、はは?なんなのその笑い。今のでアヤシサは十二分倍増だよ?
え〜っと他の場所に当たった方が…
『あ、はいっ雷を見に来ただけなので…』
「っハハハ、雷、雷か!面白い子だねぇ。じゃあ雷に打たれないように気をつけるんだよ?こーんな高い所に変なおじさんと一緒なんてねぇ…。ま、いいよ。君、面白いからねぇ。ほーら落ちるよ?」
『わぁーっ!!』
ドガッシャーン!!!
と派手な音を立て、三つほど隣のマンション(あ、勿論避雷針ついてるよ?)に落ちた。
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作者名:クラライス | 作成日時:2014年6月10日 17時