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少しずつ、旭が俺の中に入ってくる。

さっき緩められた場所は、それでも始め緊張のあまり力が入り過ぎ、何度か旭は横滑りした。

「誠、怖い?俺のこと信じて」

「…怖くない、けどっ…」

旭が体勢を変え、俺の腿を抱え広げる。

片方の手で、俺の胸に触れながら、先端を押し付ける。

「はっ…ん!」

息を抜いた瞬間をついて、入り込んできた圧迫感は想像以上なもので、俺はまた息を詰める。

「…痛い?」

「……いたく…ない。まだ…でも…」

「でも?」

「早く、入ってきて欲しい」

「せっかち」

手が伸びて、俺の頬に触れる。

「でも、ゆっくりするよ。壊さないように」

「…大丈夫」

その手に自分の手を重ねた。

もう一度、組みなおされた手を放さないまま、旭は俺の体を小刻みにノックした。

その度に、旭の一部は俺と同化を進めて、その存在を俺の中に知らしめていった。

正直、その頃には、本当に必死に伸びている俺を、実感しないわけではなかったけど。

やっぱ、『イテえ』って、我慢したけど。

旭が俺に時々、零す汗とか。

濡れた揺れる前髪とかが。

じんとするほど、きれいに見えて。

本当に愛しくて。

握り締める指先に力をこめた。

「…旭、好きだよ」

俺がそう言うと、旭の体は今までより大きく、グラインドした。

ぐっと推し進められた、体の勢いに俺の息も大きく上がる。

そこで、一旦動きを止めると、旭は体を伸ばし、キスをした。

「来たよ。全部」

「…え」

「誠ん中に」

「…あ」

いつも繋ぎあっていた指先。

でも、今はそれ以上に近く、旭は俺の中にいる。

組み合わされた体は、一つになる。

「今度は、俺と一緒にいって」

抱きかかえられた体は、小刻みに揺れ出し、俺は頭の中で、波打ち際で弄ばれる、自分を思い浮かべる。

熱い夏の日差しの下で、襲ってくる波は激しく、それでいて全身を艶かしく包み込む。

その時、旭は、俺にとって夏そのものになった。

容赦なく照りつける熱に、晒されて。

全てを焼きつくされた。

大きなうねりの中に飲み込まれ、空気を求めて、もがき。

目の前にある太陽に、向かい手を伸ばした。

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wakano(プロフ) - *華*さん» なんだか、これだけ細かく書いてると、最後までいくのに何ページ使うの?って思うんですが、きっと旭も丁寧にやろうとするだろうし、誠は、『わっきゃっ』うるさいだろうし、と思うと、なかなか進みません(汗)何より、ちょっと楽しくなってきた(笑) (2014年10月2日 22時) (レス) id: 660e647bc0 (このIDを非表示/違反報告)
*華*(プロフ) - 脱ぐってまこっちゃん男らしいね!(笑)でもそこでリードを渡さない旭も男らしい。ふたりの相手を想う気持ちと初々しさにニヤニヤしちゃいます。 (2014年10月2日 10時) (レス) id: 05fe7ce0c3 (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - *華*さん» 旭の母ちゃん、とっても書き易いいい人です(笑) 苦労人なんですが、それ故さっぱりしていてかっこいい。味方でよかったねという感じです。ここの場面はラストに持ってこようかどうしようかと迷いましたが、残された時間に気がつきどうするべきか考える誠を書きました (2014年9月28日 19時) (レス) id: 660e647bc0 (このIDを非表示/違反報告)
*華*(プロフ) - 怒涛の更新お疲れ様です☆思わず旭母ちゃん初対面のときを読み返しちゃいました(о´∀`о)誠からそんなこと伝えるなんて、何だか感慨深いです♪(気分はすっかり親戚のオバチャン化した応援団)旭の二人の未来を見据えての落ち着きが嬉しいです(*´∀`)♪二人共頑張れ~ (2014年9月26日 11時) (レス) id: 18f431e9cb (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - 天羽さん» はい、いよいよです。長かったわ〜(笑)こんなにお初に時間が掛かったのは初めてです。まあ、最初はキス止まりの話にしようと思ってたので、こういうことになってしまったんですが。話としては一ヶ月少々のお話ですが、私の積もり積もったものをぶつけたいと思います。 (2014年9月26日 6時) (レス) id: 660e647bc0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:wakano | 作者ホームページ:http://wakano.blog.fc2.com/  
作成日時:2014年5月25日 21時

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