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僕はただ、32 ページ33

*









「…それは、Aの事があるから…かな?」


「いいえ。……僕は、確かにAさんを守りたい。だけど、僕がここまで来たそもそもの目的は、僕のバスケで君たちに勝つためです。……あの時。僕達を絶望に落とした君たちの戦い方は間違っていると。……それを証明するために、ここまで来たんです」


「……へぇ、それは見上げた覚悟だね。僕を倒そうと言う事か……だったら見せてもらおうか、テツヤ(お前)のバスケを」


「いいえ、見せるのは僕のバスケではありません。誠凛僕達のバスケです」



テツヤは、誠凛と言う仲間を手に入れた。だからこそなのだろう。



「受けて立とう」



僕に、好戦的な目(そんな目)を向けるのは。










試合は、洛山が優勢で進んでいたはずだった。

何処かで歯車が狂い、千尋が幻の6人目(シックスマン)として動けなくなり、5本の小太郎が止められ、誠凛のCと張られる永吉、そして玲央の"虚空"が止められた。


見損なったよ。あぁ、失望した。

洛山は絶対王者であるべきだ。僕が負けてはならないんだ。お前達がいかに僕の足を引っ張っているか、示してやろう。本来なら、お前達など要らないんだ。

ゾーンへと意識を沈ませ、今の今まで洛山に迫って来ていた敵を意のままに操るかの如くその場へ跪かせるように崩す。

それだけでは足りない、まだ、まだ、洛山を、僕を舐めた代償には足りない。



「そのまま讃える姿で思い知れ」



一歩、また一歩と進み、崩れた誠凛に目もくれず。



「お前達の敗北は絶対だ」



誰も僕を止められないまま、ゴールを決めた。

その後のタイムアウトを経て、誠凛はまだ諦めていないようだった。

僕の前に立ったのは火神だった。


……やはり、お前が。最後まで、僕を。



「……本当に昔から、厄介だよ。テツヤ(お前)は」



火神が光ならば。そのすぐ近くに、テツヤ()がいるんだろう?

分かっているさ。分かっている。


……分かって、いたのに。


僕の前に立ち塞がった火神を避け、前へ進もうとすれば、そこにいる。


何故、僕よりも早く僕の行く方に、お前が。


読まれた。読まれた?誰が。僕が?

……天帝の目(エンペラーアイ)を持つ、僕が?


しかし、僕の手にあったはずのボールは、確かにテツヤにスティールされたのだ。







*

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西谷彩香(プロフ) - QOOさん» コメントありがとうございます。原作のストーリー沿いだったこともあり、全くと言って良いほど描かれなかった赤司様視点で書くのはなかなかに難しかったですが、そう言っていただけで光栄です!ありがとうございました。 (2018年3月29日 9時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
QOO - やっぱり誠凛VS洛山の試合は感動ものですよね・・・思わず泣いてしまいました。征君が夢主ちゃんに惚れたのもわかるような気がします。とても面白かったです!!これからも頑張ってください!! (2018年3月29日 8時) (レス) id: 5adcb33c47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/  
作成日時:2018年2月9日 19時

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