検索窓
今日:21 hit、昨日:1 hit、合計:47,174 hit

小さな箱。16 ページ17

*








だけど、オレにはあまりにも厄介過ぎた。

ショウゴくんの技は、オレとは違う。


模倣のオレと、強奪のショウゴくん。


そして___ショウゴくんは気付いてた。

オレがオーバーワークで、もうフラフラだってことに。

体力の限界が近づいて転んだオレを、ショウゴくんは嘲笑う。



「そーいや前もそーやって這いつくばってたなぁリョータ。そーだそーだ、しかも女もとっちまったんだっけ?みじめだなァ、つくづく。まーヤったらすぐ捨てちまったけど。はははははは!」



気に食わなかった。

だって、良い気になってそんなこと言ってるショウゴくんだけど、全然違ったから。

観客席から、黒子っちの応援が確かに聞こえた。

信じてますからって、あぁもう、準決勝にもう駒進めたのか。オレよりも先に。相手、確か紫原っちだったはずなのに。

ほんと、そしたら、……こんなとこで負けてらんないって、奮い立たせられる。


オレは立ち上がりながら、ショウゴくんがしたように、笑いながら言葉を返す。



「……勝つ前に言っとくけど、ショウゴくんさぁ……カン違いしてるよ。あの子のこととか」


「あ?」


「勝手につきまとって彼女名乗られてうんざりしてたんスよ正直……プライド高くて自慢話ばっか。モデルと付き合ってるってステータスが欲しかっただけなんスよ、あれは」



そんな(ヤツ)に、オレ、興味ねぇもん。

ギラリと鋭い視線を投げて、オレはショウゴくんに威嚇する。



「見た目だけで群がってくるバカ女のうち一人とったくらいで、調子のってんじゃねーよ」



ショウゴくんが、一瞬オレに怯んだような様子を見せ、直後盛大に舌打ちをかまして「だったら奪ってやるよ、全部……!」と今まで以上に燃え始める。

あぁ、その力。

勿体ない。勿体ないよ、ショウゴくん。


オレ、あんたのことは嫌いだったけど、あんたのその力は、バスケの才能は、ホントにすげーって、尊敬してたんだよ。


……だからこそ。



「女だの肩書きだのが欲しけりゃやるよ、いくらでも!んなことより大事な約束があるんスよ、オレには!必ずそこへ行く……ジャマすんじゃねーよ……!」









*

小さな箱。17→←小さな箱。15



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
63人がお気に入り
設定タグ:黒子のバスケ , 黄瀬涼太   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

西谷彩香(プロフ) - kirakirahikaru0さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!元々4年前に書き上げた作品でしたが、未だこうして誰かに見て貰えるというのはありがたいです。本当にありがとうございました! (2019年6月20日 5時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
kirakirahikaru0(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます!!最後はうれしくて泣いてしまいました。 (2019年6月20日 1時) (レス) id: 094bc50104 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» コメントありがとうございます!この作品のリメイク更新も進んでいないので、終わり次第考えたいと思います。ご意見ありがとうございました! (2019年4月27日 19時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 祥吾様の小説も書いて欲しいです (2019年4月27日 17時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - イチゴ・オーレさん» ありがどうございます!これからもよろしくお願いします!良ければ、他作品もご覧下さい! (2015年10月18日 11時) (レス) id: b540071b0b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/  
作成日時:2015年9月26日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。