小さな箱。16 ページ17
*
だけど、オレにはあまりにも厄介過ぎた。
ショウゴくんの技は、オレとは違う。
模倣のオレと、強奪のショウゴくん。
そして___ショウゴくんは気付いてた。
オレがオーバーワークで、もうフラフラだってことに。
体力の限界が近づいて転んだオレを、ショウゴくんは嘲笑う。
「そーいや前もそーやって這いつくばってたなぁリョータ。そーだそーだ、しかも女もとっちまったんだっけ?みじめだなァ、つくづく。まーヤったらすぐ捨てちまったけど。はははははは!」
気に食わなかった。
だって、良い気になってそんなこと言ってるショウゴくんだけど、全然違ったから。
観客席から、黒子っちの応援が確かに聞こえた。
信じてますからって、あぁもう、準決勝にもう駒進めたのか。オレよりも先に。相手、確か紫原っちだったはずなのに。
ほんと、そしたら、……こんなとこで負けてらんないって、奮い立たせられる。
オレは立ち上がりながら、ショウゴくんがしたように、笑いながら言葉を返す。
「……勝つ前に言っとくけど、ショウゴくんさぁ……カン違いしてるよ。あの子のこととか」
「あ?」
「勝手につきまとって彼女名乗られてうんざりしてたんスよ正直……プライド高くて自慢話ばっか。モデルと付き合ってるってステータスが欲しかっただけなんスよ、あれは」
そんな
ギラリと鋭い視線を投げて、オレはショウゴくんに威嚇する。
「見た目だけで群がってくるバカ女のうち一人とったくらいで、調子のってんじゃねーよ」
ショウゴくんが、一瞬オレに怯んだような様子を見せ、直後盛大に舌打ちをかまして「だったら奪ってやるよ、全部……!」と今まで以上に燃え始める。
あぁ、その力。
勿体ない。勿体ないよ、ショウゴくん。
オレ、あんたのことは嫌いだったけど、あんたのその力は、バスケの才能は、ホントにすげーって、尊敬してたんだよ。
……だからこそ。
「女だの肩書きだのが欲しけりゃやるよ、いくらでも!んなことより大事な約束があるんスよ、オレには!必ずそこへ行く……ジャマすんじゃねーよ……!」
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西谷彩香(プロフ) - kirakirahikaru0さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!元々4年前に書き上げた作品でしたが、未だこうして誰かに見て貰えるというのはありがたいです。本当にありがとうございました! (2019年6月20日 5時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
kirakirahikaru0(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます!!最後はうれしくて泣いてしまいました。 (2019年6月20日 1時) (レス) id: 094bc50104 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» コメントありがとうございます!この作品のリメイク更新も進んでいないので、終わり次第考えたいと思います。ご意見ありがとうございました! (2019年4月27日 19時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 祥吾様の小説も書いて欲しいです (2019年4月27日 17時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - イチゴ・オーレさん» ありがどうございます!これからもよろしくお願いします!良ければ、他作品もご覧下さい! (2015年10月18日 11時) (レス) id: b540071b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時:2015年9月26日 22時