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小さな箱。13 ページ14

*








結局、羽屋っちとのそれが解決しないままインハイに挑んだオレは、いつもよりも力は半減。

とは言っても、オレの実力的に考えても、半減してても同じ土俵に上がれるかと言われれば、やっぱり不可能なレベルだったと思う。


……羽屋っちの事で意識がそっちに飛んでたのに、結局危なげなく全勝して、さっさとウィンターカップ出場を決めてしまった海常は現在、基礎練と各自の技を磨く練習に時間を費やしていた。



「……やべぇっス、マジでやべー……」



笠松センパイの「休憩!」の声が聞こえた次の瞬間、そう呟いてしゃがみ込んだオレの頭に、ふわっとタオルがかかった。



「……へ?」



慌てて顔を上げながら振り返ると、そこには羽屋っちがいた。



「最近、黄瀬くんの調子があんまり良くないの、データ取ってたらどうしても分かるから。……勘違いなら良いんだけど……黄瀬くんの調子が悪い理由が私なら、解決しようと思って」



控えめにそう言った羽屋っちは、相当この前のアレを気にしているようだった。

だからオレは立ち上がりながら慌てて首と手をブンブンと振って否定の言葉を口にする。



「全然、調子が悪いのは自分のモチベ的なアレっスから!全然、ほんとに全然、これっぽっちも羽屋っちのせいとかじゃないっスから!」


「でも、意識の外側じゃないよね。……この前のあの告白」



羽屋っちのその鋭い言葉に一瞬言葉が詰まり、息を呑んでしまう。

間が空いた事で既に「そうだ」と肯定したようなもの。


オレは大きく息を吐き出してから、言った。



「……そう、……っスね」



ついにオレがそう零したのを聞いた羽屋っちは、「練習終わり、ちょっとだけ時間くれる?」と言って直ぐに離れて行った。

正直、羽屋っちを好きな男としてはそんな一つ一つの仕草さえも普通にフィルターがかかったかのように可愛く見えて仕方ない。


口には当然出さないけど。

と言うか、出すと羽屋っちがやばいことになるのを分かってるからだけど。



「ほんっとに、なんか……やべぇっスわ……」



オレは同じような言葉を、全く違う意味でもう一度吐き出した。






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設定タグ:黒子のバスケ , 黄瀬涼太   
作品ジャンル:恋愛
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西谷彩香(プロフ) - kirakirahikaru0さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!元々4年前に書き上げた作品でしたが、未だこうして誰かに見て貰えるというのはありがたいです。本当にありがとうございました! (2019年6月20日 5時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
kirakirahikaru0(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます!!最後はうれしくて泣いてしまいました。 (2019年6月20日 1時) (レス) id: 094bc50104 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» コメントありがとうございます!この作品のリメイク更新も進んでいないので、終わり次第考えたいと思います。ご意見ありがとうございました! (2019年4月27日 19時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 祥吾様の小説も書いて欲しいです (2019年4月27日 17時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - イチゴ・オーレさん» ありがどうございます!これからもよろしくお願いします!良ければ、他作品もご覧下さい! (2015年10月18日 11時) (レス) id: b540071b0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/  
作成日時:2015年9月26日 22時

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