シガーキス secondary【今牛若狭】

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デザートを食べる前に、若狭くんにクリスマスプレゼントを渡した。



「開けていい？」




『どうぞ』




若狭くんが袋から取り出したものは、ギリギリまで悩んだけどピアスと香水。今までは3連ボールピアスをつけていた印象だったけれど、趣向を変えてフープピアスにしてみた。




「クロムハーツじゃん」




『男はみんなそれが好きだから』




「偏見がすげーよ」




中性的な、というかどちらかと言えば女性に近い綺麗な顔立ちの若狭くんに、男らしいデザインのクロムハーツは浮くんじゃないかと思ったが杞憂だったらしい。逆にお互いを引き立てるいい役割をしている。




「はい、じゃあオレから」




『まだあったの……！？』




渡されたのはティファニーの袋。頭が痛くなりそう。だけど彼の想いを無碍にするわけにはいかないので受け取り、同じように開けてみると。




『可愛い……』




「それ、ずっとつけることが出来るヤツだから」




つまりずっと付けとけということ。部屋に行ったら早速つけようと心に決めるも、どうしても貰いすぎなような気がする。これ以上は看過できない。




『若狭くん、さすがに私もお金払う。せめてホテル代かディナー代』



「やだ」



『半分、割り勘』




「だめ、ぜってぇ出させない」




意外と強情である。涼しい顔でデザートまで食べ始めた。こっちは真剣に悩んでるのに。恨みがましく思いつつ、私もデザートを口に含む。うん、美味しい。




パクパクとデザートを口に含む私の前で、少し前に食べ終えてコーヒーを飲む若狭くんがポツリと呟いた。




「なら、Aの残りの人生、全部ちょうだい」

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