弟と空却さん32 ページ34
「僕の方が大事だって!そう言って断ったのも知ってる!」
『十四……』
十四はAから視線を外すまいと、じっと見て叫ぶ。
「もう僕、心配されなくてもいいよ。大丈夫だから、僕を救ってくれたお姉ちゃんがさ……」
自分で自分を落ち着かせるように、十四は深く息を吸う。
その瞳には、決意のような力強い光が見えた。
……十四って、ちゃんと男の子なんだなぁ。
「お姉ちゃんが、幸せになって」
その言葉で、私は長い間絡まっていた糸がほぐれたような気がした。
十四が負担だったわけじゃない。
けれど、私はいつでも十四のことを考えていた。
考えすぎていたのかもしれない。
『そっか、十四は、もう大丈夫なんだ』
十四ならきっと上手くやれる。
そう信じるのが姉の役目なんだろう。
「ありがとう、お姉ちゃん!」
『わっ、いきなり抱きつかないでよ!?』
犬のようにすり寄ってくる十四が愛おしい。
……考えたくはないけど。
私はもうそろそろ、ブラコンを卒業した方がいいんだろうな。
「お姉ちゃんなら大丈夫だよ!空却さんがあんなに優しくするの、お姉ちゃんくらいだよ!」
十四が背中を押してくれるんだもん。
私も変わらなくちゃ。
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いつまいよ(プロフ) - みんさん» 自分自身何も知らずに空却くんに会ったらビビるだろうなーと思って書きました(*^^*)共感してくださり嬉しいです。初コメありがとう&これからもよろしくお願いします! (2020年4月12日 8時) (レス) id: 4f1872a950 (このIDを非表示/違反報告)
みん - 見た目ヤンキーが急に来たら怖いですよね(笑)夢主さんの気持ちめっちゃ分かります。応援してますので、これからも更新(無理しない程度に)頑張ってください!! (2020年4月12日 8時) (レス) id: d0213f078c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いつまいよ | 作成日時:2020年4月10日 1時