検索窓
今日:34 hit、昨日:20 hit、合計:278,293 hit

弟と空却さん32 ページ34

「僕の方が大事だって!そう言って断ったのも知ってる!」

『十四……』




十四はAから視線を外すまいと、じっと見て叫ぶ。




「もう僕、心配されなくてもいいよ。大丈夫だから、僕を救ってくれたお姉ちゃんがさ……」




自分で自分を落ち着かせるように、十四は深く息を吸う。

その瞳には、決意のような力強い光が見えた。

……十四って、ちゃんと男の子なんだなぁ。




「お姉ちゃんが、幸せになって」




その言葉で、私は長い間絡まっていた糸がほぐれたような気がした。

十四が負担だったわけじゃない。

けれど、私はいつでも十四のことを考えていた。

考えすぎていたのかもしれない。




『そっか、十四は、もう大丈夫なんだ』




十四ならきっと上手くやれる。

そう信じるのが姉の役目なんだろう。




「ありがとう、お姉ちゃん!」

『わっ、いきなり抱きつかないでよ!?』




犬のようにすり寄ってくる十四が愛おしい。

……考えたくはないけど。
私はもうそろそろ、ブラコンを卒業した方がいいんだろうな。




「お姉ちゃんなら大丈夫だよ!空却さんがあんなに優しくするの、お姉ちゃんくらいだよ!」




十四が背中を押してくれるんだもん。

私も変わらなくちゃ。

弟と空却さん33→←弟と空却さん31



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (296 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
522人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いつまいよ(プロフ) - みんさん» 自分自身何も知らずに空却くんに会ったらビビるだろうなーと思って書きました(*^^*)共感してくださり嬉しいです。初コメありがとう&これからもよろしくお願いします! (2020年4月12日 8時) (レス) id: 4f1872a950 (このIDを非表示/違反報告)
みん - 見た目ヤンキーが急に来たら怖いですよね(笑)夢主さんの気持ちめっちゃ分かります。応援してますので、これからも更新(無理しない程度に)頑張ってください!! (2020年4月12日 8時) (レス) id: d0213f078c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いつまいよ | 作成日時:2020年4月10日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。