キス ページ30
裕太が奈々と別れてから数日、両親が日本に帰国した。
貴「裕太、泊めてくれてありがとうね」
裕「うん。またいつでもおいで」
私達はもう奈々の話も春樹の話もしないでおくことに決めた。裕太は私を家まで送るといい一緒に歩き出した。家について両親に事情を説明すると快く私を迎え入れてくれた。
貴「じゃあ、裕太またね」
私は家の中に入っていった。裕太と関係の変化は特になくて、ただ1つ裕太からずっとこの街にいたかった。そんなことを言われた。
ずっと裕太がこの街にいたら、もしかしたら結ばれていたかもしれない。だけどあまりにもこの5年間が私たちの距離を離している気がした。
お互いまだ5年前から進めていなくてただ年齢だけを重ねてしまったのだ
私が裕太の家を出てから私のバイト終わりは必ず裕太が迎えに来るようになった。
貴「毎回迎えにこなくていいんだよ？面倒臭いでしょう？」
裕「ううん。俺が迎えに行きたいから来てるの」
貴「…そんなこと言われると調子狂う」
裕「ﾌﾌｯ 本当の事だよ。Aが大切だから」
そういい裕太は私の手を握った。これでもかってくらいに胸がドキドキしておかしくなりそうだった。
油断したら好きだよって言ってしまいそうで怖かった。裕太は私の事どう思ってるのかな、やっぱり幼馴染としか思ってないのかな。わかんないな
裕「…A？」
貴「えっ、あ、うん」
裕「ぼーっとしてた。疲れてる？」
貴「ううん。元気！」
よかった。と裕太は私を見てニコッと笑うそんな笑顔も好きで、ああ私相当裕太のこと好きだ。
貴「この辺で大丈夫だよ。ありがとう」
裕「わかった。じゃあおやすみ」
私達は反対の道に背を向けて歩き出した。すると
裕「A！！！」
貴「えっ」
振り返ろうとしたその時裕太に腕を捕まれそのまま唇に柔らかいものが触れた。
……状況を理解するのに少し時間がかかってキスされてるって気づいたのは数秒後だった。
裕太に頭と腰をがっちりホールドされていて逃げられなかった。息が出来なくなりそう
すると唇が離れた。沈黙が続く
裕「…ごめん」
貴「あ…うん」
裕「俺、やっぱりAが好きだよ」
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作者名：とまと | 作成日時：2019年8月6日 8時
