振り出し ページ29
私は裕太の隣に座った。
貴「今日帰りにアイス買ってきたの冷凍庫入れたから裕太食べて!」
裕「ありがとう。また後でもらうね」
貴「うん。」
しばらくの沈黙のあと裕太が話を始めた。
裕「今日奈々と話してきたよ。Aが言ってたことやっぱり本当だったんだね。奈々は俺に面と向かって春樹が好きって言ったよ。だからもう会うのも何もかも終わりにしてきた。」
貴「そっか…」
裕「でも早く手を打てたからよかったって思ってる。奈々は春樹の暴力的な面も受け入れるって俺に言った。俺が優しすぎるって。優しすぎて面白みがないって言われたよ。」
貴「そんなことないよ。」
咄嗟に出た言葉。私は続けた
貴「裕太の優しいところは私がよく知ってる裕太の優しさは面白みがないとかそんなんじゃないよ。裕太の優しさは私をいつも助けてくれる小さい頃も、今も。」
裕「ありがとう。そんなこと言ってくれるのAだけだよ。」
私は泣きじゃくってしまった。
貴「裕太辛かったよね。なのにいつも優しくて裕太は笑ってて、私、心配だよ…」
裕「A…ありがとう。俺の代わりに泣いてくれて。俺はAみたいに素直に泣けないから俺の代わりに泣いてくれてありがとう。でももう泣かせないから。」
裕太はわたしをぐっと抱きしめた。
私は裕太の背中に腕を回し大きな声で泣き続けた。
しばらくして泣き止むと
裕「落ち着いた?」
貴「…うん」
裕「よかった。俺シャワー浴びてくるから。寝ててもいいからね」
貴「ううん。待ってるよ」
裕太はシャワー室に消えていった。裕太が戻ってくるのをじっと待ち続けた。
裕「ふ〜〜さっぱりした」
貴「おかえり」
裕「ただいま。」
裕「あ〜〜今日は疲れちゃったな。寝ようかA」
貴「そうだね。」
私達は寝室に向かう昨日と同様に裕太はベッドの中に潜り込んでくる。
裕「嫌じゃない?」
貴「うん。」
裕「よかった。」
昨日は背を向けていたけど今日は向かい合っていてまだ傷ついているだろう裕太の顔を見つめて私達は笑いあった。その日は裕太に抱きしめられながら眠った。
朝目覚めると裕太の頬には涙が伝っていた。
俺の代わりに泣いてくれてありがとう。そんな言葉が甦ってきた。
貴「もっと早く好きって知りたかったよ。裕太」
裕太の涙を拭って私はベッドから出た
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作者名:とまと | 作成日時:2019年8月6日 8時