君は恋に興味なし、片想い決定≪黒子テツヤ≫

プロローグ ページ1

・




・




・





僕には
好きな人がいます。




・




・





彼女は
僕の幼馴染です。




・




・




冷静に考えてみると
もう十年になりますか
彼女と出会って。





月日が経つのは
本当に早いものですね。





・




彼女は
僕の幼馴染であり
僕が唯一
“さん”づけをしない
女の子です。





・





・




昔、
出会ったばかりのころ
“さん”づけをしたとき
ふくれっ面をして
“さんづけは余所余所しい”
と彼女が
不機嫌そうにいっていたのを
覚えています。




というよりも
彼女との何気ない会話
彼女と一緒に行った場所
そのすべてを
僕は覚えています。



・




僕にとって彼女の思い出は宝物です。
忘れるはずがありません。




・




・




僕と彼女が出会ったのは幼稚園ででした。




当時から
彼女は明るくクラスのムードメーカーで
クラスの中心にいました。




対する
僕はというと一人で
絵本を読んでいたり先生と話していたりと
一人でいることが多かったです。




だから
当時の僕には
彼女がまぶしかった…
いや、今でも十分まぶしいんですが。




・




・




同じ幼稚園
同じ小学校
そして
同じ中学校に
僕たちは進学しました。




彼女は
年を重ねるごとに
どんどん綺麗になっていきました。




幼馴染の僕は
それをすぐ間近で見て育ちました。




僕は彼女が自慢でした。




そして
いつしか
僕は綺麗で
優しい彼女に
恋心を抱いているのだと
気が付きました。




・




・




けれど僕は僕の気持ちが
届かないことを知っています。




・



・



・




なぜなら
ある時僕はキミが恋愛に興味がない
ということを知ってしまったからです。





・



・



・



それでも
僕はキミが好きです。




・



・



キミが
たとえ
僕のことを恋愛対象で見ていなくても
ただ僕はキミの傍でキミの笑顔が見たいんです。




・



・



キミが
恋愛に興味がなくて
僕の片想いが決定していても
別にいいんです。




・




・




・




・




だからキミに恋しててもいいですか？
A…？

登場人物→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す