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「ちょー震えてんじゃん!かっわいー!俺、ケッコータイプかも」

「大丈夫だってー、優しくするから♪」

しかし、やはりバレていたらしい。彼らが離れていく様子はなく、むしろ悪い方へと向かっていく。

「ーーーっ!」

右手首を強く掴まれる。

「いっぱい楽しませてあげるよ」

掴んできた男がそう呟くと、体を引っ張られた。

「や、やめ……」

力の限り抵抗するが、恐怖で力を完全に発揮できなくて、なすがままだ。

(誰か、助けて……!)

心の中で叫ぶと、いきなり左腕が後ろへ引っ張られた。

「っ!」

男も油断したのか、私の右手が解放される。すると、そのまま私の体は引っ張られたほうへと向き、男たちに背を向ける形となる。
その瞬間、私の視界は真っ暗になり、右側から背中に温かい感触がやってきた。
どういうことだ、と私が混乱していると、上から声が響いた。

「この子、俺の女(ツレ)なんで、帰ってもらっていいっスか?」

すると、目の前の壁との距離が狭まり、顔が完全に埋まる。壁はなんだか温かく、いい匂いがした。
そこでようやく、私は今誰かに抱き締められており、目の前にある壁は誰かの胸板であることに気がついた。さらに、声の低さや体に触れた部分の堅さ、香りの爽やかさから、私を包んでいるのは男だと分かる。

すると、彼と私の様子を見て男たちは舌打ちをし、興が醒めたのか、立ち去っていくような足音が聞こえた。

男たちの足音が遠のき、気配もなくなってから、私を抱く力が緩くなった。そして、「大丈夫だったっスか?」と質問された。さっきよりも、声がワントーン高かった。

「はい……」

本当はまだ恐怖はおさまっていないが、大丈夫だと返事をする。これ以上迷惑はかけられないと思い、助けてくれた彼から距離を置く。

しかし、さすがに許容オーバーだったのか、脚の力が抜けて、崩れ落ちてしまう。

「えっ、ちょっ!っぶね、大丈夫っスか!?」

寸のところで彼に体を支えられ、なんとか倒れるのを免れる。

「はい、ありがとう、ございます……」

私はまだ震えている声で、なんとかそう返した。

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作者名:ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時:2022年5月10日 16時

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