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集合場所である駅に着くと、すでに高尾くんと緑間くんは来ていた。2人とも、浴衣を着て。
高尾くんは黒地にグレーのストライプ模様、緑間くんはくすんだ白と浅葱の市松模様の浴衣だった。ちなみに緑間くんは、ラッキーアイテムなのか、右手にはひよこのぬいぐるみを持っていた。
(なんか、新鮮かも)
制服姿ばかり見ているため、どことなく違和感を感じるが、まあ向こうもそうだろう。
「お待たせー！」
「お待たせ」
梨花に続き、私も2人に挨拶する。
「お、やっほー梨花ちゃん、Aちゃん！2人とも浴衣、似合ってんぜ」
「えー、ほんとー？高尾くん、ありがとー！」
「どうも」
高尾くんに浴衣姿を褒められて喜ぶ梨花。一応私もお礼を言う。一方の緑間くんは、目線を逸らして黙っている。
「こんばんは、緑間くん。見苦しくてごめんね」
きっと彼にとって私たち(特に私かな)の浴衣姿は、見るに堪えないものなんだろうと思い、そう声をかける。
「ちっ、違うのだよ！」
が、緑間くんは違うと、顔を少しだけ赤くして答えた。訳が分からなくて、私が首を傾げていると、高尾くんが緑間くんの背中を叩いて、「真ちゃんは照れてるだけだもんなー」と笑いながら言った。
たしかに梨花の浴衣姿はとても可愛いから、照れるのも仕方ないけど。
「いた……」
思わずそう呟く。
「ん？どしたーAちゃん」
私の独り言に気づいたのか、高尾くんが声をかけてくるが、「なんでもない」と私は誤魔化した。
(今の、なんだったんだろ……)
私は先ほど一瞬痛んだ胸に手をやる。しかし、何も分からなかったため、私はもうすでに出発してしまった3人の元へ、小走りで向かった。
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作者名：ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時：2022年5月10日 16時
