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今日から二学期が始まる。始業式の後に実力テストがあるため、今日の部活の朝練は無しになっていた。
俺は朝練がなくとも、少し早めに登校する。もちろん、それは今日も例外ではない。
教室へ入ると、まだ数人しか着席していなかった。しかし、いつもならもう着席しているはずのやつが、今日はいなかった。
(今日は休みなのか……?いや、しかし今日はテストだ。やつが簡単に休むはずはないのだよ)
俺は右隣の橋本が、まだ来ていないのが気になったが、橋本の連絡先を知らないため、確認はできない。
(担任から何も言われなければ、梨花に聞いてみるのだよ)
そう考え、俺はとりあえず自分の席に座った。
HRに続き、始業式、午前中の実テが終わるも、隣の席の橋本は来なかった。もう昼休みになるが、担任からは何も聞いていないため、梨花に直接聞くことにした(始業式のとき、梨花が来ているのは確認した)。
「梨花」
「おはよー真ちゃん!なあに?」
俺が声をかけると、うさぎのように跳ねる梨花。
……先日、彼女から告白を受けたが、断った。
『友達としか見ていないのだよ』
俺はキッパリとそう言った。
もちろん、俺に後ろめたさがないわけではない。しかし、コイツ自身が「気を遣うな」と俺に口うるさく言うため、普通に接することにしたのだ。
「橋本……Aが今日来ていないのだが、休みなのか?」
「……あ、お姉ちゃん?そー!熱出ちゃったからお休みー」
俺が橋本のことを質問すると、少し梨花の表情が強張ったが、すぐに柔らかくなり、そう返される。
「え、Aちゃん、熱出たの?」
話を聞いていた高尾も反応する。
「うん。昨日までは元気だったんだけど……たぶん知恵熱だと思う」
「マジかー。あ、今日、午後練ないし、真ちゃん、お見舞い行かね?」
風邪ではなく知恵熱と聞き、少し安心する。が、高尾が突拍子もないことを言い出す。
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作者名:ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時:2022年5月10日 16時