▽File.04 ページ6
カタッ
A「っ!」
爆発が起きた、廃墟となったホテル内。
立ち尽くしていたAは、
何かの物音を聞いて我に返った。
A「…青峰さん、ですか…?」
…………。
A「ちょ、ちょっと!あまり驚かさないで下さいよ!」
…………。
A「…ねぇ、青峰さん……?」
何度呼びかけても、返事は帰ってこない。
先程物音が聞こえたのは、気のせいだろうか…?
そう思った時であった。
A「っ!!?」
背後に気配を感じて振り返れば、
そこには黒のジャージに黒のニット帽、サングラスとマスクを付けた人が立っていた。
A「だr、んふっ!!?」
怪しい人物は素早くAの後ろに回り、
口にハンカチを押さえつけた。
A「んっ…ん――!!!」
何、これ…すっごい眠気が……
まさか…睡眠、や…く………
Aの意識はそこで途絶えた。
⋆
それから10分後。
ようやく戻ってきた青峰は、Aがいない事に気付いた。
青峰「……あの女…逃げたか?」
辺りを見渡してAの姿を探すが、見当たらない。
その変わり、別のものを見つけた。
青峰「これは…」
見つけたのはタッチパネル式の携帯。
タップして見て見れば、それがAのものだと分かった。
青峰「………」
指先がスゥ…と冷え、変な汗が流れる。
アイツ、まさか……
いや、そんなわけねェ…
ここに俺ら以外の人なんて…どうせビビって逃げただけだろ。
そん時にうっかり落として……
あれこれと考えるが、汗は止まらない。
そうだって…!
犯人に連れ去られたとか、そんなわけ……
青峰「っ…」
しかし結局、頭に浮かぶ想像は1つだけ。
青峰「…にやってんだよ、あの馬鹿女…!!」
いくら柔道が出来て強いと言えど、
Aも女であることに違いはない。
もし犯人が男だったなら、小柄なAを押さえつけ、
連れ去る事は容易いことだあった。
⋆
赤司「……」
その頃。
1人、ホテルの裏の方にいた赤司は、
物陰に隠れて、ある人物を観察していた。
赤司「…これは予想外。まさか警察が大勢いるところに戻って来るとは……。」
赤司の目の先にいるのは、
怪しい人物と、その人物に担がれている、――――――Aであった。
赤司「まったく…大輝には後でキツイお仕置きをしておかないとな…。」
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作者名:doughnut. | 作成日時:2013年11月5日 15時