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▽File.04 ページ6

カタッ

A「っ!」


爆発が起きた、廃墟となったホテル内。
立ち尽くしていたAは、
何かの物音を聞いて我に返った。


A「…青峰さん、ですか…?」


…………。


A「ちょ、ちょっと!あまり驚かさないで下さいよ!」


…………。


A「…ねぇ、青峰さん……?」


何度呼びかけても、返事は帰ってこない。
先程物音が聞こえたのは、気のせいだろうか…?

そう思った時であった。


A「っ!!?」


背後に気配を感じて振り返れば、
そこには黒のジャージに黒のニット帽、サングラスとマスクを付けた人が立っていた。


A「だr、んふっ!!?」


怪しい人物は素早くAの後ろに回り、
口にハンカチを押さえつけた。


A「んっ…ん――!!!」


何、これ…すっごい眠気が……
まさか…睡眠、や…く………

Aの意識はそこで途絶えた。











それから10分後。
ようやく戻ってきた青峰は、Aがいない事に気付いた。


青峰「……あの女…逃げたか?」


辺りを見渡してAの姿を探すが、見当たらない。
その変わり、別のものを見つけた。


青峰「これは…」


見つけたのはタッチパネル式の携帯。
タップして見て見れば、それがAのものだと分かった。


青峰「………」


指先がスゥ…と冷え、変な汗が流れる。

アイツ、まさか……
いや、そんなわけねェ…
ここに俺ら以外の人なんて…どうせビビって逃げただけだろ。
そん時にうっかり落として……

あれこれと考えるが、汗は止まらない。

そうだって…!
犯人に連れ去られたとか、そんなわけ……


青峰「っ…」


しかし結局、頭に浮かぶ想像は1つだけ。


青峰「…にやってんだよ、あの馬鹿女…!!」


いくら柔道が出来て強いと言えど、
Aも女であることに違いはない。

もし犯人が男だったなら、小柄なAを押さえつけ、
連れ去る事は容易いことだあった。











赤司「……」


その頃。
1人、ホテルの裏の方にいた赤司は、
物陰に隠れて、ある人物を観察していた。


赤司「…これは予想外。まさか警察が大勢いるところに戻って来るとは……。」


赤司の目の先にいるのは、
怪しい人物と、その人物に担がれている、――――――Aであった。


赤司「まったく…大輝には後でキツイお仕置きをしておかないとな…。」

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作者名:doughnut. | 作成日時:2013年11月5日 15時

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