保護者 ページ6
「赤葦さんと夜久さんだ。」
国木田さんによって連れてこられたのは同輩の京治と先輩の夜久さん。
これは私が仕組んだ事であるため、驚くことは何もない。
黒尾さんや木兎さんと共に行動していると言ったら彼等だろう。
このことは死神の誰もが知っていること。
唯一知らないのは新人くらいでは無いだろうか。
「昨日、俺ら4人は共に行動していました。」
京治が口を開く。
4人でねぇ…。
嗚呼、あれか。
昨日はマフィアの抗争とやらで死者が沢山でたから死神はかり出されたんだっけ。勿論私も同じであった。
お陰で私は寝不足だけれども。
黒尾さんと木兎さんの容疑は彼等が晴らしてくれるだろう。
問題は田江里さんと富士峰さんだ。
私は富士峰さんが犯人だと確信している。
…彼女からは死の匂いがしたのだ。
人の死に関わることで付く特有の匂い。
大抵の死神は気付かないのだけれども、嗅覚が犬並の私にはすぐに判った。
その匂いは人が死ぬことを見たり、なくなった人を見たり、人を殺したりすることで付いてしまう。
つまり、御葬式とかに行っても匂いが付く訳だ。
だが、富士峰さんの場合は特に匂いが強い。
…人を殺した
と言うことになるだろう。
まるでシャボン玉が上へ上へと上がり消えていくように。
人の命ほど儚いものは無いだろう。
感情を持っている人間は他人の生死を変えることも出来る。
生かすことも出来れば、
殺すことも出来る。
それは自分次第と言っても良いだろう。
罪を犯した人間はもう二度と天国に行くことは無い。
…まぁ断罪人と仲良く地獄で暮らすだけだけど。
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流界(プロフ) - とても面白い作品ですねッ!続き楽しみにしていますッ!更新頑張ってください!! (2017年5月26日 17時) (レス) id: fec9330555 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一口タルト | 作成日時:2017年3月17日 22時