証言者募集中 ページ5
「黒尾さん、木兎さん、手助けしましょうか?」
悪戯っ子のような笑みを浮かべた天沢は二人を見た。
木兎は嬉しそうにはしゃぐが、何かを悟った黒尾は苦笑する。
国木田は軍警たちと話し合っており、彼女達の会話を耳にすることは無かった。
しかし、太宰は別だった。
彼女達の会話を聞きつつ、思考を巡らす。
彼等は何者か。
そして、
我々の敵か味方か。
「保護者を呼んでおきますね〜。」
simple is best という言葉が似合うスマホを取り出した天沢はとびきりの笑顔で画面をタップして、鞄に戻した。
「おまっ…!まさか…。」
黒尾の顔が青くなっていく。まだ、状況を把握出来ていない木兎はいまだにはしゃいでいる。
「取り敢えず、アリバイ聴取でもしますかね。」
天沢はそう言って彼等の前から去った。
何考えてんのか全然判んねぇ。Aが保護者を呼んだって事は彼奴らが来る。其れは確定したことだ。…今は俺らの容疑が晴れることを第1優先としてこの場をしのぐしかねぇな。
黒尾はそう考え、頭をかいた。
「国木田さん、田江里さんと富士峰さんは村田さんとどんな関わりがあったかお聞きしても宜しいでしょうか?」
「嗚呼、天沢か。田江里さんは亡くなった村田さんの妻で富士峰さんは亡くなった村田さんの会社の秘書だったそうだ。」
国木田の言葉を聞いた天沢は何かを考え始めた。太宰も二人に加わり、喋り始める。
「聞いてくれ給えよ、国木田君。黒尾さんと木兎さんのアリバイを証言してくれる人が来たみたいなのだよ?」
通すかい?と笑う太宰。
其れを聞いた天沢はニヤリと笑った。
太宰は彼女の笑みを見逃さなかった。
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
流界(プロフ) - とても面白い作品ですねッ!続き楽しみにしていますッ!更新頑張ってください!! (2017年5月26日 17時) (レス) id: fec9330555 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:一口タルト | 作成日時:2017年3月17日 22時