喧嘩の仲裁 ページ13
とある廃ビルの下。
軍警が取り囲んでおり、その周りには野次馬もいた。
上から鉄骨が落ちてきそう…。
なんで先輩方は派手に喧嘩してんですか。
取り敢えず、殴らせろ。
「こら！入るな！！」
人の間をすり抜けて中に入ると帽子を深くかぶった軍警に腕を捕まれた。
面倒くさい。
けれど背が低い私はその軍警が誰か判った。
灰色の癖っ毛に泣きぼくろ。
一部の人の間では天使と称されるくらい可愛い人の分類に入る人。
「A、入ります。」
そう囁くと彼は手を離した。
「行ってこい。頑張れよ〜。」
軽いハイタッチを交わし、私は中に入った。
建物が揺れる。周りには瓦礫が落ちていた。
「俺も入れて下さいよ！」
天沢が中に入った後、二口は先程の軍警と言い合っていた。
「何故私達は入れないのかい？」
そこに太宰までもが加わる。
「も〜、そんな事言われても困るべ。」
「…なんでここにいるんですか。
…スガさん。」
スガさんと呼ばれた軍警は苦笑した。
「俺だけじゃないべ？」
スガはそう言って他の軍警達に視線を向ける。
二口と太宰もつられてそちらの方向を向いた。
「影山ー！！」
「うるせぇ！！日向ボゲェ！！」
「潔子さーん！！」
「お前等、真面目に仕事しろ！！」
軍警にしては緩い警備。
個性的なメンバーが勢揃いしているようにも見えた。
「な？」
スガはそう言って笑った。
天使と称されるだけあって、可愛らしい。
「はぁ…。」
二口溜息をついた。
なんで断罪人がここまで来てんだよ…。そもそも他の仕事は如何したんだよ。死神が軍警と称して警備すれば良かっただろ…。
「俺らじゃないと駄目なんだよ。だって彼奴らはルールに反した。罪を見定めるのも俺らの役目だべ？」
スガは二口の考えを読むようにして次の言葉を言った。
「では、何でAが行くのだい？誰でも良いじゃないか。」
「あー…。彼奴らの喧嘩はAしか止めらんないんだよ。」
ﾄﾞｺﾞｫ…
大きな音共に建物が揺れる。
今にも崩れそうな廃ビルはその音を合図に静かになった。
「勝負あり、みたいだな。」
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流界(プロフ) - とても面白い作品ですねッ！続き楽しみにしていますッ！更新頑張ってください！！ (2017年5月26日 17時) (
レス) id: fec9330555 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一口タルト | 作成日時：2017年3月17日 22時
