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ごろん、と膝枕してもらいながら頭を撫でてもらうのは、猫の性が残っているのかとても気持ちが良い。
2つに割れた尻尾をぴょこぴょこ揺らして、深澤に頭を撫でてもらうラウールは相も変わらず口数の少ない深澤の方を見やった。
深澤「…？」
体勢を変えた事でこちらに視線を向けた深澤のその綺麗な紫色の目は、ここに来た時と同じ、ずっと光を失ったように、それでも鮮やかに輝いていた。
ラウール「ふふ、ふっかさん好きー」
深澤「……ありがと」
消えてしまいそうな声に、再び頭を撫でてもらうように体勢を戻す。
向井「ふっかさーん！」
ドタドタドタ、という足音と共に入ってきた向井は、本当の犬みたいにドタドタと深澤の隣に座る。
向井「ふっかさんにお届け物！」
小さな包み紙にくるまれた金平糖を見て、深澤は1つ摘み上げると、恐る恐る口に入れた。
向井「美味しい？」
小さく頷いた彼を見て、向井は満面の笑みを浮かべると声を上げる。
向井「やっぱりふっかさん、笑った顔のが素敵！」
ラウール「最近、たまに笑うようになってくれたもんね！」
向井「ちょっとは慣れた？」
深澤「…うん」
ラウール「じゃあ一緒にご飯！」
深澤「駄目！」
ラウール「むぅ…」
深澤「……照に、会っちゃ、駄目、だから…」
向井「会っちゃ駄目？大丈夫やって！照くん、確かに顔怖いけど、めっちゃ優しいから！」
深澤「…知ってる」
ここに来た時よりかはずっと、ずぅっと会話が出来るようになった。
最初の方は誰かが来る度軽く取り乱していたものだ。特に岩本が来た時は。
壊れたようにずっと虚ろにどこかを見ていて、最初はご飯も食べようとしなかった。
それを思えば、今はずっとマシなのだ。マシなのだけれども。
深澤「…」
酷く脆い心の深澤に、これ以上の頼み事は出来ない。
向井は割り込むように膝の上に頭を置く。
ラウール「あっ！ぼくの場所！」
向井「ふっかさん！俺も頭撫でて！」
深澤「…いいよ」
2人揃って撫でてもらいながら、深澤が見上げる空を見上げる。
雨が上がったらしい空はほんのり赤くなっていた。
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賭果(プロフ) - 初めまして、検索で見掛けてこの話のみ途中まで読んでいるのですが、ふっかさんがまさか…と思いました。その他のシリーズもぜひ、読んでいこうと思います (2020年6月14日 21時) (
レス) id: e86ba3e61e (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - はじめまして。伍話の話がゆり組ー(≧∇≦)て感じがしてとても好きです。笑 これからも更新を楽しみにしています。 (2020年6月6日 20時) (レス) id: 2effd210bf (このIDを非表示/違反報告)
パスタ好きのさらさん(プロフ) - 新作おめでとうございます！全部面白くて読ませて頂いてます。今作は自担であるめめが最初の主人公っぽかったのでとても嬉しいです。これからも応援してます！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: b898e8ff1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊都 | 作成日時：2020年6月1日 17時
