先輩と後輩の壁【赤司征十郎】

15 涙のあと ページ15

虹村side


「...全然戻ってこねーな」


青峰がそういった時だった


「戻りました」


「あー、お疲れ」


結城を連れた赤司が帰ってきた


実際、今日の自主練は終わりの時間だった


もう時間だから帰るようキャプテンが指示している中、無言で結城は近寄ってきた


「ん、どうした？」


『...、どうした？...じゃないよ！教えすぎ！』


「は？」


なんか怒ってるみたいだ、珍しい


「教えすぎ...って言われてもなぁ...

"あかりは結城の弟だった"
と
"女バスのレギュラーだった"

ってことしか教えてねーぞ？」


『は？！ウッソだろお前？！』


キャラを見失うほど慌ててる...のか？


だとすると、たった2つの情報からかなり深いとこまで当てたんか


さすが赤司征十郎


「まぁ、良いだろ


お前も慣れろ、でちゃんと相手を見ろ」


だって、でも、と口をもごもご言わす結城


見れば目は赤いし涙のあとが


「ったく」


手元にあったタオルを投げつける


『うわっ？！な、なんだよ...』


「そのひでー顔どうにかしとけ」


『...ありがとう』


しおらしく微笑む結城


普段からこうなら、ねぇ


でもまぁ、久々に見たな


ちょっと感傷に浸りつつ、


リア充だの言ってくる同級生に制裁をくわえに行くのだった

16 変わって？→←14 笑顔の裏

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す